【地域経済】市内の各種業界・企業動向を取り上げます。事業継続中の伊勢崎駅周辺の区画整理事業の進捗や他地域の開発計画、まちづくりなども取材対象です。情報はinfo@press-isesaki.com
【写真】伊勢崎市ひろせ町の「グンビル」駐車場で開かれた「SDGsをみんなで学ぼう」体験イベント

持続可能な開発目標、2030年までに達成へ
グンビルが剥離廃液の適正処理で「SDGs」宣言
                    

 「SDGs(エスディジーズ)」。聞きなれない言葉だが、意識を向けると目にすることが増えてきた、国際社会が2030年までに実現すべき世界共通目標だ。施設清掃、空調・厨房設備洗浄などを手掛けるグンビル(伊勢崎市ひろせ町4088−12、高野こずえ社長)は、開発した処理システムで建物清掃排出時の全廃液を適正処理、リサイクルする環境保全でSDGsの達成に取り組んでいる。

 SDGsは「Sustainable Development Goals」(持続可能な開発目標)の略称。2015年9月の国連サミットで採択され、加盟193か国が2030年までの15年間で達成するために掲げた目標で、17の目標と169のターゲット(具体目標)で構成している。普遍的な目標として「誰も置き去りにしない」という約束を掲げている。

       焼却に比べて CO2削減効果は60パーセント

 同社が開発した処理システムは、剥離廃液内のポリマー除去、残渣取り出し、基準値までの浄化の3段階で処理する。河川放流基準値内の水と発電用ペレット原料となるポリマーなどにリサイクル。エアコン・カーペット洗浄廃液処理も可能だ。同社によると処理方法のほとんどだった焼却に比べ、CO2削減効果は60パーセントという。

 SDGsの目標は、1「貧困をなくそう」から17「パートナーシップで目標を達成しよう」までの17項目。同社は床ワックス剥離廃液を適正処理することで6「安全な水とトイレを世界中に」、12「つくる責任つかう責任」、14「海の豊かさを守ろう」、15「陸の豊かさも守ろう」の達成に取り組んでいる。その他に7「クリーンエネルギー」、9「産業基盤つくり」、11「まちづくり」、13「気候変動対策」の計8目標で取り組みを宣言している。

         「剥離廃液を適正に処理する会」の会員拡大へ

 適性処理のネットワークづくりのために組織した「剥離廃液を適正に処理する会」(高野健会長)は現在30社。群馬地区を中心に都内のほか、愛知、広島、福岡にも会員は広がっている。目標は来年中に100社。来年2月5日開催の「横浜ビルメンテナンスフェア」(横浜建物管理協同組合主催)、同4月22日から3日間、大坂で開催する「2020NEW環境展」(日報ビジネス主催)などに出展し、広く関係企業の参加を呼びかけていく。

 SDGsの啓蒙活動の一環として10月20日、同会主催で「SDGsをみんなで学ぼう」体験イベントを開いた。木工教室や自然塗料で塗装体験、ハーブ作り体験コーナーのほか、飲食店や関係団体のブースが設けられ、来場者で賑わった。日本環境協会教育事業部の大西亮真部長が「子供のためのSDGs講演」。前橋総合技術ビジネス専門学校の小島昭校長が「科学で楽しく遊ぼう」をテーマにサイエンスマジックショーを開いた。(2019年12月19日)
【写真】群馬丸魚グループの年度末商品展示会。会場いっぱいに海産物製品が並ぶ

ヒット商品・新製品など新鮮海産物を一堂に
群馬丸魚グループが年度末商品展示会

 伊勢崎地方卸売市場の水産荷受、海産物卸販売の群馬丸魚グループ(伊勢崎市八寸町5361−1、中里裕社長)は10月9日、同社事業本部物流センターで、恒例の年度末商品展示会を開いた。各展示ブースでは取引先115社が、従来の製品に加えて、自慢の一品や新製品などを来場者にアピールした。

 会場には鮮魚部門の刺身類その他、大物部門ではマグロ、カツオ他、塩干部門ではカズノコやスダコ他、加工部門はおせち類や練り製品など、多種多様な海産物が並んだ。来場したのはスーパーや量販店、飲食店などの関係者で、勧められた試食を味わいながら、興味深く品定めをしていた。

 海産物の嗜好変化、核家族化による消費者ニーズを踏まえた今年の展示会テーマは「3簡(簡便・簡食・簡素化)」。テーマに沿った独自性・創造性のある売り場創り提案、ヒット商品・話題商品などを揃えた。群馬丸魚の展示会担当者、塩干加工品課の都丸耕輔係長は「レンジだけとか、包丁を使わない食材。各部の惣菜化が進む中で、部門の垣根を越えた商品も」と、充実した商品提案を説明する。(2019月10月10日)
 【写真】左:利用者の利便性向上にスマホ決済やクレジットカード決済を始めた葬儀社。右:「終活セミナー」で講演するファイナンシャルプランナーの細田浩世さん

周辺他社に先駆け スマホ決済導入「葬儀社」
定期開催「終活セミナー」で消費増税もテーマに

 10月1日からの消費増税もあり、買い物やサービス利用の会計のキャッシュレス化が進んでいる。葬儀社(本社・伊勢崎市寿町122−1)は周辺地域の他社に先駆けて、スマホ決済サービスを相次いで導入。同時に定期開催の「終活セミナー」では9月17日、「消費増税」をテーマに暮らしに必要な情報提供など、利用者の利便性向上を図っている。

 スマホ決済は、商品やサービスを購入する際、スマートフォンを店舗の専用端末にかざし、QRコードを読み取ることで代金を決済するサービス。国が消費増税後の一定期間、中小・小規模事業者のキャッシュレス決済を使ったポイント還元を支援するため、飲食店や小売店で活用が急速に広まっている。

 葬儀社が6月に導入したのが、100億円還元キャンペーンなどでも話題になった、PayPay(ペイペイ)。8月にはORIGAMI Pay(オリガミペイ)の取り扱いを始めている。葬祭業界の月刊総合情報誌「月刊フューネラルビジネス」編集部によると、スマホ決済は「都内では既に取り扱う企業もあり、仙台や福島で聞いているが、基本的に地方ではまだ少ない」と話している。

 同様にクレジット決済サービスも、他社に先行して、6年前から取り扱いを始めている。クレジット決済利用は現在、葬儀や仏壇・手元供養品販売などで1割弱を占めている。一方、スマホ決済はスタート直後のため、まだ利用がない。そこでスマホ決済も「皆さんに知ってもらって活用して欲しい」(深町善一社長)と利用を呼びかけている。

 「高齢者が、豊で充実した人生を全うしてもらうための啓発」を目的として、同社が毎月開催しているのが「終活セミナー」。9月17日開催の第104回目は、ファイナンシャルプランナーの細田浩世さんが「消費増税〜お金との付き合い方を考えるチャンスに〜」をテーマに講演した。消費税について考え、増税が生活に及ぼす影響をわかりやすく解説。老後2000万円問題と人生設計にもふれた。(2019月9月29月)
【写真】グンマ・クレイン・サンダーズ・ビューティー・アンド・コンディショニング。上左: 専属トレーナーがストレッチケア。上右:鍼ケアはリラックスタイム。下左:建物外観はカフェの雰囲気。下右:婦人科系疾患の改善も期待できる骨盤調整

女性美を理想的体つくり追求する施設 伊勢崎市喜多町に
全国展開のGENKIDOが群馬クレインサンダーズと提携・開設

 伊勢崎市上泉町に本社を置き、整骨院・鍼灸院などを全国展開しているGENKIDO(南山弘社長)は、オフィシャル・メディカルパートナーを務める、バスケットボール男子Bリーグ2部(B2)の群馬クレインサンダーズと提携し、同市内喜多町に理想の体づくりを目的とした女性向け「GUNMA CRANETHUNDERS BEAUTY&CONDITIONING(グンマ・クレイン・サンダーズ・ビューティー・アンド・コンディショニング)」を開設した。

 骨盤調整、美容鍼・鍼ケア、ストレッチケアに食事管理、トレーニング動作指導、カウンセリングを施して総合的に体をケアする。鍼は3人の鍼灸師資格保持者を確保。ストレッチケアも専属トレーナーが指導。産後の骨盤調整など、婦人科系の疾患も改善も期待できるという。組み合わせは個々の希望や体の状態にあわせてオリジナルプログラムを組む。

 美に関わる職種では自身の“美力”のアップ。立ち仕事で蓄積する腰痛、肩こり、足の疲れを軽減。産後の体型を戻す際はトレーニングだけでなく、授乳中の栄養バランスのアドバイスやリラクゼーション、骨盤調整などの組み合わせが有効。肥満解消やはつらつとした健康的な体づくりで、仕事もプライベートも日々のパフォーマンスの向上を目指す。

 1回80分のセッションが基本。カウンセリングにより時間内で、トレーニングから各種ケア、鍼など、オリジナルプログラムを設定する。セッションは1カ月に4回、8回、12回コースからある。食事制限は頑張って短期間に結果を出すコース、お酒や炭水化物もある程度は摂取可能なプチ糖質制限コースなど選択性を採用している。4月中は無料体験会を実施中。問い合わせは同施設TEL:0270−22−4700へ。

 同時に伊勢崎市上泉町に開設したのが「群馬クレインサンダーズスポーツコンディショニングジム」と「同鍼灸整骨院」の2施設。トップスポーツ選手と同水準のボディケア、リハビリ、トレーニング、メンタルサポートが受けられる。子供から大人まで幅広い世代が対象。ジムでは筋力を大きくする最新器具などを導入。ニーズに合わせた鍛え方ができる。問い合わせは同ジムTEL:0270−21−1695へ。(2019月4月1日2)
 【写真】上:来場者で賑わった大進建設の餅つき会場。下:社員が見守る中、子供が餅つき体験

顧客や地域に感謝を込めて、社員総出でおもてなし
住宅建築・リフォームの大進建設が餅つき大会

 住宅・リフォーム建築の大進建設(伊勢崎市平和町町25-5、斎藤元秀社長)は1月19日、恒例の餅つき大会を同社敷地内で開いた。住宅計画・施工中・施工後の顧客家族や関係者、地域住民が100組近く訪れ、ついたばかりのお餅を食べながら、子供たちは餅つき体験を楽しんだ。

 餅つき大会は今年で12回目。様々な家族の住宅づくりに関われてきたことへの顧客と、それを支えてくれる地域の住民に感謝を込めて、社員が総出で来場者をもてなした。8張りの大型テント内には120席のテーブル席を用意。来場者は餡やきな粉餅、からみ餅に雑煮と、つきたてのお餅に舌鼓をうった。

 餅つき担当の同社社員が協力して、子供たちが餅つきを体験。最初はおそるおそるだったが、最後は上手に杵を打ち下ろしていた。子供限定で風船とポップコーン、家族には福袋がプレゼント。来場者は午前10時から午後2時まで、家族を中心につきたてのお餅を堪能した。

 オムツ替え「赤ちゃんルーム」を社屋内に設置。インフルエンザなどの感染予防にと、来場の際は入り口に臨時の手洗い場を設け、手洗いと消毒を促すなど、イベント運営にあたっても、同社の家造りのコンセプトである“健康”にこだわった。

 同社の家造りは住宅を建てる地中に「いやしろ炭」を埋設し、コンクリート基礎には特殊加工の微粉炭を混入。相乗効果で住環境の土台を整えている。室内仕上げでは工法や素材に加えて、身体に有害な揮発性化学物質発生を予防する、遠赤外線放射の液体スプレーを施している。(2019年1月26日)
 【写真】上:伊勢崎商工会議所新年互礼会で挨拶する古賀会頭。下:伊勢崎商工会議所会館(後方は改修中の伊勢崎市文化会館)

「候補地に制約。もう少し待って」新会議所会館移転建設
伊勢崎商工会議所の新年互礼会で古賀会頭が見通し

 伊勢崎商工会議所の古賀友二会頭は1月15日開催の新年互礼会で、老朽化した会議所会館移転建て替え候補地の見通しについて語った。当初は昨年中にも公表予定だったが「候補地にさまざまな制約があることがわかり、もう少し待って欲しい。出来るだけ早く決めたい」と理解を求めた。

 伊勢崎市昭和町の現会議所会館(敷地1万5876平方メートル、鉄筋コンクリート造3階建て延べ1842平方メートル)は1970年の建設。老朽化で移転新築などを検討する特別委員会を設置し、建設候補地などを検討していた。

 移転案は09年頃、本町の西友伊勢崎店閉店が浮上したことから、同建物取得後の改装案などを検討した経緯がある。建物解体後の新築案も含めて、特別委員会でさまざまな角度から協議を重ねている。中心市街地の空洞化回避の意義もあり、一時は移転の方向に傾いたが、最終的には決断に至らなかった。

 古賀会頭は新年会の挨拶で、新会議所会館の他、日本商工会議所の全国展開プロジェクトに採択された外国人との多文化共生推進事業や進出企業との交流促進を掲げた。(2019年1月19日)
【写真】グンビルが開発した、床ワックス剥離廃液などの廃棄物処理システム

有害な洗浄剥離廃液を開発処理システムでリサイクル
グンビルがシステムの特約店募り、全国普及へ

業界関係者と関係任意団体を先行設立

 床ワックスの洗浄剥離作業で発生する廃液。環境省が今年から、産業廃棄物として適正処理するよう基準を厳格化したが、不適正処理事例がこれまで少なくなかった。施設清掃、空調・厨房設備洗浄を手掛けるグンビル(伊勢崎市ひろせ町 高野こずえ社長)は、開発した処理システムで、同廃液をリサイクルする環境保全に取り組んでいる。

 同社は2009年、業界関係者と「剥離廃液を適正に処理する会」(高野健代表=グンビル会長)を先行設立。今後は同会をベースにシステム設備設置の特約店を募り、全国で同業者が適正処理できるようシステムの普及を目指す。

 装置は廃液内のポリマー除去、残渣取り出し、基準値まで浄化の3段階で処理する。河川放流基準値内の水と発電用ペレット原料となるポリマーなどに処理。一連のシステムで6特許を取得している。

 処理システムを設けた工場、ライブステーション(伊勢崎市粕川町)で、日量1・5トンの処理が可能。廃液を処理する産業廃棄物処分業許可を取得し、自社作業の廃液だけでなく、同業者からの廃液処理も受託している。

 今までの廃液処理は焼却がほとんどだった。焼却に比べて処理システム利用では、CO2削減効果は60パーセントという。

 廃液処理システムは、廃液の有害性が高まる中で、開発に乗り出した。省スペース化、処理時間短縮、コスト抑制などの改良で普及にメドをつけた。エアコン・カーペット洗浄廃液処理も可能。

 環境省は2月、グリーン購入法に基づく「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」見直し案の意見広告で、対応方針を公表。それによると「剥離後の原液は産業廃棄物として処理されることが望ましく、その場合はマニュフェスト管理(産業廃棄物の運搬・処分状態を明らかにする仕組み)を実施」と明記している。

 問題意識を共有する、ビルメンテナンス関係5社で設立した「剥離廃液を〜会」はこれまで、行政機関の指導を仰ぎ、適正処理のあり方を検討してきた。この間、群馬県内を中心に全国から会員が集まり20社に拡大。「建築物の清掃から排出される廃棄物の適正処理手引書」などをまとめている。(2018年9月29日)
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