
【写真】伊勢崎織物協同組合所有地(8879平方メートル)。左手4階建てビルは市が取得済
伊勢崎織協組合所有地に図書館含む複合施設 基本構想策定に向け新委員会
再選した臂伊勢崎市長に聞く‐2025【2】(2025年4月14日)
再選した臂伊勢崎市長に聞く‐2025【2】(2025年4月14日)
― 伊勢崎織物協同組合所有地を活用して、図書館などが移転・入居する複合施設整備の概要、現状と今後の見通しについて教えて下さい。
臂市長 伊勢崎市織物協同組合の所有地は、中心市街地にぎわい創出拠点整備(※1)として、図書・学習機能、織物産業伝機能やインキュベーション機能を備えた複合施設整備を目指している。当初は3月末までにパブリックコメント(意見募集)まで終え、今年度は基本構想策定に入りたかったが、まだそこまでに至っていない状況。今年度は基本構想の策定に向けてこれまでに作成した素案を基に、新たに設置する委員会で幅広く意見を募り、それぞれの機能に応じたスペース規模などを検討していくことになる。基本構想から基本設計、事業者の募集・選定、着工に至るまでの事業期間は施設規模や建設環境、例えば発掘調査にもよるため、現時点では未定だ。建設・維持管理・運営にはPFI・PPF(※2)を導入する。民間の受け皿が決まれば、行政のように年度に縛られることなく速やかに動き出すと思う。
― 移転後の現在の図書館建物の活用方法は。
臂市長 図書館は全面移転を含む案を検討している段階で、その方針が決定した場合には現図書館建物の後利用について関係部署で協議していきたい。
※編集部注1 中心市街地にぎわい創出拠点整備は2021年12月、市と織物協同組合で基本協定を締結。22年7月〜23年3月まで、外部有識者7人の検討委員会が民間・公共部分の一体的整備の方向性を市長に提出。22年中に民間事業者の現地見学会、民間事業者10社から参加意向や意見、提案などを聴取。23年度に庁内組織の検討委員会の意見を基に基本構想を検討。23年の12月議会答弁で図書館移転構想が浮上。24年4月、拠点整備基本構想等策定支援業務を八千代エンジニアリング(東京都)に約2,400万円で委託(工期は25年3月まで)。
※編集部注2 PPP(パブリックプライベートパートナーシップ) 公共施設などの建設・維持管理・運営を行政と民間が連携。民間の創意工夫を活用し、財政資金の効率的使用と行政の効率化を図る手法。PFI(プライベートファイナンスイニシアティブ) 上記手法で民間資金、経営・技術能力を活用するPPPの手法のひとつ。市は一定規模以上の公共施設は従来手法に優先して導入を検討する基本方針を策定している。

― 伊勢崎駅前インフォメーションセンターが4月から民間に委託(※3)されました。
臂市長 10年前に開設した同センターは、市政や観光情報の発信、市主催の絵画などのパネル展示、講演などの事業に活用してきた。昨年3月の官民連携で組織する伊勢崎市まちなか活性化支援会議で、同センターを含む公共空間の民間活用、運営体制の見直し提言を受け、対策を検討してきた。民間委託後は従来の窓口機能は維持し、民間事業者のノウハウを取り入れて、新たに多目的スペースの貸し出しなどを始める。まちなかの活性化に意欲を持つ市民などが、柔軟に利用できる施設として活用してもらいたい。
※編集部注3 委託先は「合同会社ISESAKI LOVERS」(伊勢崎市喜多町125−2 秋山麻紀代表)。秋山代表は伊勢崎市を拠点に活動する地域づくり団体で、イベントの企画運営や官民連携事業も行う「まきばプロジェクト」の代表も務める。同センターの休館日は毎週月曜日で、開館は午前9時から午後9時まで。時間内であれば、窓口に申し込むと休憩もできる。(次回に続く)
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