新会館完成予想図。エントランスから見えるのはホール・授与所

最盛期年間100日の挙式披露宴 伊勢崎神社が老朽化会館建替
社務所は参集殿に再整備 両施設完成は10月(2025年1月28日)

 伊勢崎市本町の伊勢崎神社は、拝殿・本殿の北に隣接する老朽化した2階建ての待合所と並びの福徳社会館(旧結婚披露宴会場で現在は倉庫)を建て替える。同館と棟続きの東側の社務所は、独立した「参集殿」として改修する。2月から解体工事にかかり、10月には新施設がお目見えする。禰宜の齋藤宏平さんは「地域のシンボルとして参拝者の皆様に、より気持ちよくご利用いただくため、建物を良い形で後世に残していきたい。参集殿は周辺の皆さんの寄合所的な利用を」と話している。

 神社境内は四方が道路に囲まれた東西に長い約2300平方メートルの敷地。北側に建つ2階建ての待合所(2階会議室、築53年)と平屋建ての福徳社会館(現倉庫 築59年)を解体し、その跡地に総2階建て延べ床面積約660平方メートルの新館を建設する。1階東側にホール・授与所、中央に事務所、西側に待合室(間仕切りで2部屋に)を配置する。今までは社務所から建物外のアーケードを経由して拝殿に入場していたが、新館完成後は待合室から渡り廊下を通って行けるようになる。

 神前結婚式に続く披露宴は、本殿北隣の大広間だった現在の倉庫(間仕切りで2部屋利用が可能)を活用していた。会議室2階も披露宴会場として利用し、同時に3組の挙式が可能だった。最大一日に12組、最盛期は年間100日もこなしたという。宴会料理は近所の魚屋や仕出し屋、ケーキは清水ベーカリーや上村パンに注文していた。周辺で結婚式場が建ち始めた平成を迎えると披露宴の需要は減退。施設スペースの有効活用が課題になっていた。

 伊勢崎神社の創建は建保元年(1213)と伝えられている。現本殿は嘉永元年(1848)、本殿の屋根を覆うように造られた拝殿は昭和10年(1935)に建立。社殿の規模は決して大きくないが、彫師の池田長光(拝殿)、池田常八郎(本殿)らの流麗な建物彫刻には圧倒される。拝殿正面入口の上部にSUBARU(旧中島飛行機)社員奉納の航空安全祈願のプロペラ、いせさき初市の境内で行われる巨大焼饅頭をふるまう「上州焼饅祭」で知られている。

正面の2階建て建物と左奥が建物を解体。右端の瓦屋根の建物は改修・再整備する社務所
【写真】神社拝殿と解体する正面の待合所。右端瓦屋根の建物は独立して改修する社務所
ホール・授与所内の完成予想図
【写真】待合所で毎月定期開催の最後の神社紙芝居(1月26日撮影)
待合所2階の会議室も披露宴会場として利用
【写真】待合所2階の会議室も披露宴会場として利用していた
披露宴会場だった福徳社会館は間仕切りで2組
【写真】福徳社会館内の披露宴会場は間仕切りで2部屋にも
2階建て待合所建設前の福徳社会館
【写真】2階建て待合所が建設される前の福徳社会館