【写真】自宅療養中の高橋さん(2月8日撮影)。段ボール箱は保健所から届いた生活支援物資

新型コロナ感染をフェイスブックで公表
市議会「年代と性別」のみ公表中 車いす市議の高橋さん

 伊勢崎市議会議員の高橋宣隆さん(寿町 48歳)が6日、フェイスブックで新型コロナウィルスに感染したと公表した。4日のPCR検査で陽性が確認され、上毛新聞で「40代、男性市議が感染」の掲載を受け、「40代の市議は数人おり、迷惑が掛からないように」と自発的に公表に踏み切った。高橋さんは頚髄損傷による車いす生活の1級身体障がい者。保健所からは入院を勧められたが、軽症として自宅療養している。市議会議員の感染は2人目。

 高橋さんは2月3日夕刻より喉の痛みと発熱(37・5度)で、翌日かかりつけ医を受診。PCR検査で陽性が確認され、ヘルパーの介護が受けられない不便はあるものの、軽症だったことから自宅療養を選択した。ただ、3人暮らしで妻も感染。娘(中一)は微熱があったが、抗体検査で陰性だったことから互いに注意しながら同居隔離生活に入った。

 もっとも障がい者とその家族には、ヘルパー不在の自宅療養生活は予想以上に過酷だった。起床から就寝、入浴、トイレなど、すべて妻の手を借りて療養生活を送っている。2人が健康であっても、それぞれの負担は大きい状況で、夫婦ともに38度以上の高熱で容体が悪化した時は、さすがに「入院を選択しておけば良かった」と高橋さんは後悔している。

 入院か宿泊・自宅療養かは、保健所からの連絡を待って隔離生活に入る。陽性確認の当日夕方5時ごろ保健所の連絡が入り、1時間ほど今後の対応について相談、丁寧な説明を受けた。自宅療養は10日間隔離となるため、食料品や日用品の生活支援物資が、段ボール箱4箱(妻と2人分)に詰められ、保健所から届いた。「ティッシュやトイレットペーパーまであり、助かりました」と高橋さん。

 伊勢崎市議会は昨年2月、新型コロナ感染症対策の一環として市議会議員が感染の際は氏名の公表を申し合わせた。ただ同年8月、一人目の感染者(50代・男性)確認などもあり、県議会の「年代と性別」のみの公表基準に見直している。2人の感染者発生時は、いずれも症状と濃厚接触者の有無を市ホームページで公表。市議会は感染議員の所属する会派室や委員会室、トイレなどを消毒し、通常業務を続けている。(2022年2月8日)