【写真】伊勢崎織物協同組合の所有地(正面左3階建てが組合事務所,中央3階建ては市所有,右端の寄棟瓦屋根はいせさき明治館)

年度内に各種専有規模固める基本構想策定/伊勢崎織物組合所有地の図書館複合施設
資金調達から運営まで民間導入も/事業者選定は2026年度から(2025年6月16日)

 伊勢崎駅南口周辺のにぎわい拠点のひとつとして市が曲輪町に計画している、伊勢崎織物協同組合所有地に建設する、図書館・織物産業伝承機能・創業支援などのインキュベーション機能を含む複合施設。一般公募委員を7人含む新委員会で、年度内に建物各施設の規模を固める基本構想を策定する。資金調達、設計・建設、維持管理、運営に民間導入を検討。設計・建設・運営などの事業者募集・選定準備は2026年度内に始める。

 計画地は、織物組合事務所と駐車場に利用している組合所有地7898平方m、東南の一角にいせさき明治館が立地する市所有地など1305平方mの計9203平方m。計画地の西側約200m、広瀬川沿いに建つ現在の図書館は、鉄筋コンクリート造り3階建て。1976年に建てられ、老朽化が進む一方、蔵書の増加などで手狭となっていた。延べ床面積は2762平方mで収容可能冊数は15万3千冊、駐車台数は90台。市が直営(職員26人、うち司書8人)で管理している。

 織物産業伝承機能として想定しているのは、組合事務所、展示・体験・販売スペース、倉庫、資料保存庫の計460平方m。創業支援とその育成を促すインキュベーション機能専有部としては、オフィス、コワーキングスペース、チャレンジショップなど計680平方メートルを確保する。インキュベーション機能については、独立採算制を前提とした民間機能設置などの意見、民間事業者対象の市場調査などを踏まえて運営主体を検討する。

 複合施設内の図書館規模は機能別の目安では、学習・会議室・グループ学習室910平方m(現状456平方m)、多目的室・展示ブース410平方m(同86平方m)、サイレントルーム・ボランティア活動室450平方m(同0)、博物館資料収蔵庫110平方m(同28平方m)、市史編纂関連収蔵庫550平方m(同94平方m)の計2430平方m(同664平方m)を想定。蔵書冊数に応じた規模としては30万冊2470平方m、40万冊3170平方m、50万冊3870平方mを見込んでいる。いずれも廊下・トイレ・機械室などの付随する供用スペースは含まない。

 市は6月20日まで新委員会(みんなでつくる中心市街地にぎわい創出拠点検討委員会)の委員7人を募集している。基本構想案の概要を整理したパネル展示のオープンハウスを6月16日〜28日まで伊勢崎織物会館や伊勢崎市図書館で開いている。
いせさき明治館、閉鎖医院、3階建てビルも市所有の事業対象地

【写真】いせさき明治館、閉鎖医院、3階建てビルも市所有の事業対象地

北小学校や現伊勢崎図書館にも近い事業対象地

【写真】北小学校や現伊勢崎図書館にも近い事業対象地