都内展開の第一号店となる「佐藤」の東京支店(東京都葛飾区)

都内20店舗体制へ葛飾区内に1号店 2035年までに年商50億円目指す
塗装,リフォーム,建築の公共工事受注拡大へ「佐藤」(2023年2月9日)


 群馬・埼玉の4店舗で個人住宅の塗装業を中心にリフォーム、建築で公共工事受注拡大を目指す佐藤(佐藤和幸社長 群馬県伊勢崎市上植木本町)は、2035年までに東京エリアで約20店の店舗網を構築する。その第1号店として1月に東京支店(葛飾区東新小岩3−2−14)を開設した。12年後には25店舗、従業員170人体制で年商50億円を目指す。

 東京支店の初年度年商目標は、スタッフ2〜3人で1億円。「月の3分の2は都内に。3年程度は腰を据える」と佐藤社長自らが陣頭指揮を執る。この間に人材の確保と育成、営業体制の構築に力を注ぎ、3年間で会社の年商7億円を10億円の大台に乗せる。市場性の高い都内で以後、江戸川、北、練馬、杉並、世田谷など23区内に順次出店する。

 同社が下請受注から一般住宅の塗り替え直接受注に事業転換したのは約10年前。これまでに500棟以上の施工実績を持つ。同時期に国内外で活動するボランティア塗装集団「塗魂ペインターズ」に参画し、佐藤社長は現在、副会長を務めている。塗装職人の全国組織、日本塗装名人社(安井朗社長 愛知県名古屋市)でも役員を務め、こうしたネットワークを通じて現場の人手を確保する。

 同社の営業店は伊勢崎本社の他、埼玉エリアに18年に熊谷支店、20年に上尾支店を開設している。一方、昨年3月開設のリフォームスタジオ佐藤(伊勢崎市田中島町)は、ほぼ1年間で採算ベースに。このため埼玉2店の営業実績をベースに2〜3年後には、鴻巣市内に同様のリフォーム館を開設する。業態の拡大に伴い、22年5月には株式会社「佐藤塗装」から「佐藤」に社名変更している。

 公共工事では建築で受注拡大を目指す。既に伊勢崎市では入札参加資格を取得し、設計業務などを行う建築事務所登録も完了している。東京都葛飾区では現在、入札参加資格を申請中。事業的な成否というよりも、佐藤社長の”国士”的な思いの一端もあって参画するのが、防衛省の公共工事受注だ。このため社内で資格取得者の確保も急ぐ。

 同社は佐藤社長が03年に個人創業し、現在は社員17人で年商7億円の規模。安定的な人材確保のために7年前、業界では異例の大卒定期採用に踏み切っている。最初の2年間の応募ゼロを経て、2人、4人、2人と続き、今年4月は1人だが、4期生を迎える。最近始めた動画配信では、営業受注に加えて採用にも手応えを感じているという。人材育成とともに経営理念に掲げた「幸せの追求」、行動指針などに「磨きをかけ、凡事徹底」で事業の拡大を図る。