大和さんの自宅のコレクション部屋の一室。書棚のゲームソフト類を説明している

有数のレトロゲームコレクター「ヘンリー浜川」の正体は?
「伊勢崎まちなか文化祭」は愛好会のオフ会にも(2023年12月9日)

 国内外の愛好者で関心が高まっているレトロゲームで、有数のコレクターとして知られる大和祥晃さん(60歳 伊勢崎市三光町)。社長を務めるセレモニーホールのヤマトホール(同市三光町)で開いた「第3回 伊勢崎まちなか文化祭」の最終イベント(11月23日)では、ネット公開上のハンドルネーム「ヘンリー浜川」のコレクションとして体験会を実施。結成5年目の設立時から顧問を務め、会員が2000人に迫る「レトロコンシューマー愛好会」(プラウドロー会長/ハンドルネーム)の仲間も県内外から駆け付けていた。

体験会
超レアソフトのビデオカセッティーロックを保有する愛好会会員が実演(左)、ゲームファンの親子連れも楽しむ体験会

 体験会ではコレクション写真を添えて作成した、日本の主なテレビゲーム機年表を掲示。1977年のテレビテニスに始まり、2020年のプレイステーション5までを大まかに紹介した。会場では1972年に北米で発売された世界初の家庭用ゲーム機「マグナボックス・オデッセイ」が最初に目に入る。カーレース画面で遊ぶ、ビデオカセッティーロックは「超レア」のソフトを会員が持参し、体験を可能にした。近所に住む親子で訪れたゲームファンの父親(41歳)は、「名前は知っていても、見たことも触ったこともない」ゲーム機に驚き、感心していた。

 大和さんが収集したコレクション紹介は当初、自作のホームページだった。入れ替わるように5年前、自分だけのコレクションをネット上で公開できる「MUUSEO(ミューゼオ)」に、「ヘンリー浜川」のハンドルネームで開設した。テレビゲーム機を中心とした各種ゲーム機類はコレクション700点のうち600点をカテゴリー別、年代別に紹介している。別館として各種カタログ、ミニカー、ガンダム・仮面ライダー・おニャン子クラブなどアイドル系のレコードやCD類、・宇宙戦艦ヤマト関連と、多彩なグッズコレクションも掲載。地元食品メーカーの「ペヤング焼きそば」関連を含めて、収蔵総点数は1993点と、あとわずかで2000点の大台に達する。コレクションの3割は未使用で、未開封も含まれているという。

ゲームセンター
ゲームセンターでも見かけるが、実は家庭用。左2台は輸入し、椅子も別途購入

 20代からファミコンをはじめとする家庭用テレビゲーム機などを集め始めていたという大和さん。収集が本格化したのは30代後半に自宅を改装した2000年以降。棚も特注した保管部屋確保で拍車がかかり、現在はリビングルームも含めて5部屋を膨大なコレクションが占領している。ゲーム機器の他、書棚や積み重ね置きコミック類が、各部屋の一角を占めている。収集は当初、出張先の玩具店などにも足を運んだが、今はもっぱらネットオークション。海外も含めた関心の高まりで価格が高騰し、なかなか手が出せないという。今後はコレクションで「ゲーム文化を次の世代に伝えていければ」と控えめに語る。

 レトロコンシューマー愛好会の設立は2017年。会長のプラウドローさんがツイッターで情報交換のコミュニティ―を作ろうと立ち上げた。設立時にミクシーで存在を知っていて尊敬する大和さんにも声をかけ、以来顧問として活動を支えてもらっているという。会員は芸能人や漫画家、ゲーム開発者など多岐にわたり、最近は外国人や女性の入会者も増えている。2000人到達まで残り約50人(11月23日時点)を切っており、年内にも大台達成が見込まれる。伊勢崎まちなか文化祭に訪れていたプラウドロー会長は、「情報共有やオフ会を通じた交流で世界的にも注目されている日本のゲーム文化を発信していきたい」と意気込みを語っていた。(2023年12月9日)