伊勢崎出身鋳金工芸家「森村酉三」没後70年企画展その3
縁者のサクソンフォン奏者、森村恭一郎さんらがコンサート(2019/10/30)
【写真】群馬県立近代美術館のエントランスホールで開かれた、ミュージックコンサートで、ダンスと演奏を披露するフラメンコダンサーと森村恭一郎さん(中央)を中心としたジャズグループ

 群馬県立近代美術館の没後70年「森村酉三とその時代」企画展(9月21日〜11月10日)に併せて10月26日、同美術館エントランスホールでミュージックコンサートが開かれた。伊勢崎市出身の鋳金工芸家、酉三の縁者でサックス奏者の森村恭一郎さんを中心としたジャズグループが、酉三への思いを込めて関連楽曲を演奏。酉三が東京・池袋在住時代の隣人だったという、江戸川乱歩の明智小五郎シリーズに登場する「少年探偵団」なども披露した。主催は同美術館友の会。

 恭一郎さんは軽妙なMCを交え、ジャズやラテンナンバー、歌謡曲やアニメソングを披露した。「酉」から「鳥」を関連付け、オープニングで「鳥の歌」を恭一郎さんがサクソフォンソロ。「バイバイ ブラックバード」をクインテッドで演奏した。「インザムード」は、恭一郎さんが指導する若手2人とサックストリオを組んだ。「コーヒールンバ」などはフラメンコダンサーも加わり、エントランスホールの臨時ステージを華やかに飾った。少年探偵団は30年以上前の音楽雑誌からの楽譜を初見で演奏した。

 森村家は350年以上続く伊勢崎市の旧家で、酉三と恭一郎さんの父の梓さんは従兄弟にあたる。酉三は16代当主の連太の三男として生まれ、東京美術学校(現東京芸術大学)鋳造科を卒業後、池袋にアトリエを構える。隣同士の関係で親しくしていたのが、推理小説の巨匠、江戸川乱歩。少年探偵団の挿絵には、酉三が原型制作した高崎観音が掲載されるなど、2人の親密な交流が伺える。恭一郎さんは観音像の足元の案内板を見た際の「西という字に一本横線が入った酉の字」の印象を懐かしんだ。

 恭一郎さんは伊勢崎東高校、国立音楽大学卒業後、群馬県立高校の音楽教員。音大在学中にロックバンドやクインテッドに参加し、新宿のピットインなど都内ジャズ喫茶を中心に演奏した。テレビ、ラジオにも出演し、全国ツアーをこなすなかで、著名ミュージシャンとも共演。教員退職後も演奏活動とサクソフォン指導を続けている。

 企画展は群馬県立美術館で11月10日まで開催。酉三と親交のあった伊勢崎出身の日本画家、磯部草丘の作品展も同時開催中。問い合わせは同館(?027〜346〜5560)へ。月曜休館(祝日は開館)で、観覧料は一般820円。

 伊勢崎出身鋳金工芸家「森村酉三」没後70年企画展その1
 伊勢崎出身鋳金工芸家「森村酉三」没後70年企画展その2

没後70年の「森村酉三企画展」で各地を訪ね歩き作品収集
    群馬県立近代美術館学芸員 神尾玲子さん(2019/11/08)
 伊勢崎市出身で鋳金工芸家の森村酉三の没後70年展「森村酉三とその時代」が10日まで、群馬県立美術館で開かれている。3年前から担当学芸員として企画から関わってきた。一般的にはなじみの少ない“鋳金”という芸術分野で、戦前から戦中、戦後の時代に「日本の伝統と西洋のモダンを掛け合わせ、独自の芸術文化を生み出すことができた良き時代を駆け抜けた存在」と森村を解説。もっとも「金属には不遇な時代だった」と付け加えた。

 戦時中の供出を免れ、伊勢崎市立三郷小学校が所蔵する森村の新田義貞像。生誕120年の2017年の年頭、双子の娘たちが通う縁から、残っていないと思っていた作品が身近にあることを知った。それが企画展開催へのきっかけだった。美術館の大展示室の大空間を埋めるための収集点数に不安はあったが、森村酉三・寿々夫妻の研究者の手島仁さんの協力も大きな弾みとなった。

 モダンなデザインの鳥、動物などの小さな置物や工芸的な花瓶、建築装飾品、人物などの彫刻と、森村作品は多岐に渡る。ただ文献で存在は確認できていても、戦中の金属類供出などで森村作品そのものは行方知れずが少なくない。所有は1,2点という個人も多く、情報を集めて地道に各地を訪ね歩いた。「あ〜、ここにあったんだ」という発見もたびたび。埋もれた作品に辿りつくことで、森村作品90点を含む140点を集めた。

 高崎の白衣大観音原型制作者で知られている森村は「当時の鋳金工芸の最先端を行く改革者の一方で、伝統を重んじるという両面を持つ」と見る。企画展では「花瓶などでは工芸的面、人物では彫刻家として、動物の置物ではモダンなデザイン」などが見どころと指摘する。

 中学校の歴史を学ぶ中で、仏像や立体物、彫刻に興味を持った。大学では西洋の古代彫刻や、ギリシャ、ロマネスク時代の彫刻を学び、フランス留学時代はそれらの現地を訪ね歩いた。建築の装飾にも興味があり、中世の建築コースも専攻した。地図を片手にフランスの片田舎を駆け回ったことで「ヨーロッパの文化の原点を知ることにも」と当時を思い起こす。

 所蔵作品の保存管理や展覧会の企画から開催までに関わる美術館の学芸員。「よりダイナミックだった」と振り返るのは、館林美術館在籍時に担当した「再発見!ニッポンの立体展」(2016年7月〜9月)。静岡・三重の県立美術館との共同巡回展として、アイデアと調整に時間をかけた。とはいえ学芸員の仕事は「一般的には雑用も多い」と、足を使った今回の企画展のようにフットワークの必要性も説く。

 常に企画展のテーマを考えている。プライベートの美術展巡りは「やはり仕事の延長になる」と家族は伴わない。娘たちには違う分野で、自分たちの好きなことを見つけて欲しいという思いもある。一方で足を運んで欲しいのは、自身が担当した企画展。普段から「理系の世界」の夫の関心は薄いが、「せめて」の思いは少なからずある。(廣瀬昭夫)

 伊勢崎出身鋳金工芸家「森村酉三」没後70年企画展その1
 伊勢崎出身鋳金工芸家「森村酉三」没後70年企画展その2
 伊勢崎出身鋳金工芸家「森村酉三」没後70年企画展その3

1月17日から「日本最大」が伊勢崎市歴史民俗資料館に
   群馬県指定の重要文化財 伊勢崎市下触町の石山観音の大鰐口

隠れ家的カフェ&バー「ひみつきち」移転オープン
   伊勢崎市新栄町から伊勢崎税務署近くの市内寿町へ
【写真】伊勢崎市新栄町から移転オープンしたカフェ&バー「ひみつきち」伊勢崎市寿町212−4/水曜日定休(平日20:00〜26;00、金土20:00〜28:00、電話0270−75−2387)新栄町時代から隠れ家的な雰囲気が売り。新栄町時代のひみつきち


 伊勢崎保健福祉事務所管内の「飲食店営業許可情報」を1ヶ月ごとに集計、掲載していきます。特定施設内営業や製造・卸業態、仮設・移動店舗は除外していますが、既存店でも経営者変更の場合は掲載しています。

 写真の店舗紹介は、編集部が任意で取材、掲載しています。お問い合わせやご意見は
Email:info@press-isesaki.com「WEBプレスいせさき編集部」へお寄せ下さい。

伊勢崎銘仙の端切れ使った手作り絵本を展示
   伊勢崎市4図書館予約ランキング(2019/11/16)
【写真】伊勢崎銘仙の端切れをつかった手作り絵本展「伊勢崎銘仙ものがたり…平成・令和につなぐ『いせさき銘仙』華の街並み」を1階ロビーで展示中

▼図書予約ランキング上位10点 (11月15日現在、かっこ内は前月比)
「希望の糸」東野圭吾著/76人(-4)
「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ著/67人(-9)
「落日」湊かなえ/61人(+13)
「ノースライト」横山秀夫著/39(-5)
「一切なりゆき」樹木希林著/37人(-3)
「さよならの儀式」宮部みゆき/28人(-1)
「ライオンのおやつ」小川糸/25人(−)
「むらさきのスカートの女」今村夏子著/24人(-6)
「祝祭と予感」恩田陸/24人(−)
「ツナグ」 辻村深月/24人(−)

▼CD予約ランキング上位3点 (同上)
「LOVE」菅田将暉/28人(+3)
「瞬間的シックスセンス」あいみょん/28人(0)
「MAGIC」back number/28人(-7)

▼DVD予約ランキング上位3点 (同上)
「ボヘミアン・ラプソディ」ブライアン・シンガー監督/35人(-10)
「リメンバー・ミー」リー・アンクリッチ監督/25人(-1)
「劇場版 コード・ブルー − ドクターヘリ緊急救命 −」西浦正紀監督/24人(−)

★ライブラリーは、伊勢崎市・赤堀・あずま・境の伊勢崎市内4図書館共通の各種ランキング、注目イベントを紹介しています。毎月開催の「読み聞かせ」やその他のイベントは図書館ホームページをご覧ください。