第2の人生にボランティアで伊勢崎市民が3人も
      南牧村の活性化に住民や村外者が秘湯復活に参集/18年11月1日
(上:左から青木さん、高橋さん、小澤さん/撮影は伊勢崎市内飲食店 下:南牧村にオープンした「星尾温泉 木の葉石の湯」ヒノキの浴室)

 群馬県南牧村の最西北部、長野県境の星尾地区に、68年ぶりに復活した秘湯「星尾温泉 木の葉石の湯」。巨岩の上に建つ古民家を住民や村外者有志が手作りで改装し、日帰り温泉として9月に開業した。地元食材を使ったレストランや休憩所も併設している。

 温泉復活の目的は、誘客による内外の交流促進と若者の雇用創出だ。昨年4月発足の復活プロジェクトメンバーは、伊勢崎市民3人を含む15人。地区内で古民家民宿を営む代表の米田優さん(71歳)と道子さん(73歳)は夫婦参加。2人は村の豊かな自然に魅了され、12年前に千葉県から移住してきた。

 同様に6年前に移住したメンバーが、温泉施設代表で太田市出身の小保方務さん(42歳)。長野県出身で事務局の松林建さん(51歳)は、昨年10月に都内から移住している。他メンバーは都内、千葉、埼玉から月1回ペースの集まりに駆けつけ、またそれぞれ都合のつく日程で、古民家改装にボランティア参加してきた。
   
 伊勢崎市内から参加したのは、旧NTT勤務の高橋雅洋さん(69歳、田中島町)、公務員だった青木孝彰さん(68歳、山王町)、県内スーパーに勤務していた小澤耕一さん(67歳、戸谷塚町)。青木さんと小澤さんは、小中高の同級生。その青木さんと高橋さんは、伊勢崎市内の公園整備などのボランティア活動で知り合った。

南牧村の自然と風景に感動 秘湯復活のロマンに魅せられる

 高橋さんが4年前、知人の誘いで南牧村を訪れ、その自然や風景に感動。切干いもの加工施設建設などの村興しを手伝う中、温泉プロジェクトにも誘われた。秘湯を復活するというロマンに魅せられ、青木さんと小澤さんに声を掛けたのが、参加のきっかけだ。

 作業は借りた古民家の一部解体から始まった。高橋さんは技術者だったキャリアを活かして改装時の電気工事を中心に担当。手伝いは月に4日から5日で、泊まりが多かったという。現役時代はデスクワークだけだった(高橋さん談)という小澤さんと青木さんは、片付けや清掃などの雑用、一輪車で土砂運搬など力仕事もこなした。

 古民家は床を張替え、レストランや休憩所に改装した。ヒノキ風呂の男女浴室は、基礎コンクリートを打設した庭に建屋を整備した。ボイラー調達資金はインターネットのクラウドファンディングで確保。施設から約180mの距離にある源泉は、新たに給湯管を敷設し引湯している。

 メンバーの多くはそれぞれ第二の人生をどう生きるかを模索する中でプロジェクトに参加。作業は先が見通せない時期もあったが、代表が鼓舞する本気度で団結力が高まり、暗礁を乗り切ることが出来たという。

 高橋さんは「同世代が力を合わせ、語り合う中で、今までにない充実感を得た。地域で若者が生活できるような環境づくりに取り組む中で、これからも多くのことを村から学びたい」と今後の施設管理・運営も見据える。

 源泉の「塩水鉱泉」は昭和25年(1950年)まで、集落の公衆浴場に使われていた。源泉は15度程度で、加熱して掛け流しで利用している。透明だが鉄分を含み、空気にふれると茶色に変色する。温泉成分のカルシウムで石に張り付いた木の葉を凝固させることから「木の葉石」と地元では伝えられていた。

 温泉は米田代表が経営する体験型古民家民宿「かじか倶楽部」(南牧村星尾1235-1)のすぐ近く。営業は午前11時〜午後6時(受付は午後5時半)までで、月曜定休。入湯料は中学生以上1000円、4歳〜小学生500円。問い合わせは米田代表(電話090−1558−2899)へ。

“世界的なマエストロ誕生”を予感させる逸材
      東京芸大音楽学部指揮科1年生の須田さん/18年10月26日
(上写真:佐野日大管弦楽部定期演奏会を指揮する須田さん/2017年6月 下写真:東京芸大内ホールでの「ミレニアムシンフォニー」練習風景)

 “世界的なマエストロ誕生”を予感させる若者が伊勢崎にいる。東京芸術大学音楽学部指揮科1年の須田陽(18歳、伊勢崎市連取町)さんは、現代音楽作曲家の権代敦彦氏作曲の「Sæwol−海から」の日本初演で指揮を執る。大学では1年の音楽学部有志による学年オーケストラ「ミレニアムシンフォニー」を組織。代表として活動を始めている。11月3日にはカワイ前橋ショップで、最後の無料コンサートとなるかもしれないピアノ演奏を披露する。

 
海外でも活躍する現代音楽家・権代氏作品を日本初演で指揮

「Sæwol−海から」は、リトアニアのヴィリニュスで10月14日、Modestas指揮、Vilnius St. Christopher Chamber Orchestraと、打楽器奏者の會田瑞樹さんの共演で世界初演されている。「海」と「魂」が呼応する壮大な音楽で、国内で初演されるのは12月25日、杉並公会堂(東京都杉並区)の「會田瑞樹ヴィブラフォンリサイタル」だ。

 須田さんが特別編成オーケストラで指揮するきっかけは、タワーレコード(東京・渋谷)で開かれた會田さんの昨年のミニコンサート。ソルフェージュ・楽典・和声・作曲などで師事した、作曲家の渡辺俊哉氏の作品が収録されている會田さんの購入CDの感想をSNSにアップしたことが始まり。

 會田さんからは、芸大入学の際にもお祝いメッセージを受けるなど、繋がりを深くする中で、指揮の依頼に至った。會田さんとの共演を夢見ていた須田さんにとっては「夢のような演奏会」と大喜びしている。

 権代氏はローマのブッキ国際作曲コンクール1位(1991年)、故芥川也寸志氏の音楽界への功績を記念した芥川作曲賞(1996年)をはじめとして国内外で数々の賞を受賞。2014年にはリトアニアで、第二次大戦中、領事館で多くのユダヤ人を救った外交官、杉原千畝を題材にしたオペラ「桜の記憶」初演でも注目を集めた。

 
芸大1学年で構成の楽団「ミレニアムシンフォニー」代表も

 須田さんは有志によるオーケストラ設立を大学入学当初から考えており、5月の連休明けから、学年全体に声を掛け始めた。副代表でヴィオラ担当の宮川清一郎さんが、伊勢崎の同郷だったことから最初は2人で行動した。

 集まったのは1学年237人中、約90人。ヴァイオリンは25人、チェロ、ヴィオラ、コントラバスで4〜5人を確保している。音楽環境創造科や楽理科、作曲科など、非演奏学科の生徒も参加。芸大の学生によるオーケストラは前例もあるが、演奏家だけにとどまらない陣容が、これまでに例のない楽団の特徴だ。

 オーケストラの企画運営には、こうした非演奏家の学生があたり、須田さんは全体を統括する。コミュニケーション力で、さまざまな意見を調整。演奏以外の楽団の仕事の経験を演奏に生かしている。周囲からは「団結力がすごい」と羨ましがられていると言う。

 9月7日には早くも芸大ホールを会場に、芸祭公演「新星の坩堝」でチャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」を披露している。初の外部公演は2019年2月22日。台東区生涯学習センターで、メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」より「序曲」、シベリウス「ヴァイオリン協奏曲」、ブラームス「交響曲第2番」で、指揮棒を振る(全自由席1500円)。

 11月3日のカワイ前橋ショップ(前橋市本町)のピアノコンサートは、スペシャルゲストとして招かれる。午前11時と午後1時半からの2ステージで定員は各25組。ショパンの「エチュード」「ポロネーズ」などを演奏。申込受付は10月31日まで。電話027−221−1821(担当 清水さんまで)。

 須田さんは宮郷第二小学校卒業。指揮者を目指して音楽教育で定評のある上野学園中学・高校音楽科演奏家コース(ピアノ)を経て、東京芸大音楽学部指揮科に入学。伊勢崎から通学している。第9回横浜国際音楽コンクールピアノ部門高校の部一位、第32回全日本ジュニアクラッシク音楽コンクール作曲室内学部門高校生の部最高位など、これまでにピアノと作曲でさまざな賞を受賞している。

 ※近日中に「この街ピープル」で、須田さんの横顔を紹介します。

有害な洗浄剥離廃液を開発処理システムでリサイクル
      グンビルがシステムの特約店募り、全国普及へ/18年9月29日
(写真:グンビルが開発した、床ワックス剥離廃液などの廃棄物処理システム/伊勢崎市粕川町の廃液処理工場)

業界関係者と関係任意団体を先行設立

 床ワックスの洗浄剥離作業で発生する廃液。環境省が今年から、産業廃棄物として適正処理するよう基準を厳格化したが、不適正処理事例がこれまで少なくなかった。施設清掃、空調・厨房設備洗浄を手掛けるグンビル(伊勢崎市ひろせ町 高野こずえ社長)は、開発した処理システムで、同廃液をリサイクルする、環境保全に取り組んでいる。同社は2009年、業界関係者と「剥離廃液を適正に処理する会」(高野健代表=グンビル会長)を先行設立。同会をベースに今後は、システム設備設置の特約店を募り、全国で同業者が適正処理できるよう、システムの普及を目指す。

 装置は廃液内のポリマー除去、残渣取り出し、基準値まで浄化の3段階で処理する。河川放流基準値内の水と発電用ペレット原料となるポリマーなどに処理。一連のシステムで6特許を取得している。

 処理システムを設けた工場、ライブステーション(伊勢崎市粕川町)で、日量1・5トンの処理が可能。廃液を処理する産業廃棄物処分業許可を取得し、自社作業の廃液だけでなく、同業者からの廃液処理も受託している。

 今までの廃液処理は焼却がほとんどだった。焼却に比べて処理システム利用では、CO2削減効果は60パーセントという。

 廃液処理システムは、廃液の有害性が高まる中で、開発に乗り出した。省スペース化、処理時間短縮、コスト抑制などの改良で普及にメドをつけた。エアコン・カーペット洗浄廃液処理も可能。

 環境省は2月、グリーン購入法に基づく「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」見直し案の意見広告で、対応方針を公表。それによると「剥離後の原液は産業廃棄物として処理されることが望ましく、その場合はマニュフェスト管理(産業廃棄物の運搬・処分状態を明らかにする仕組み)を実施」と明記している。

 問題意識を共有する、ビルメンテナンス関係5社で設立した「剥離廃液を〜会」はこれまで、行政機関の指導を仰ぎ、適正処理のあり方を検討してきた。この間、群馬県内を中心に全国から会員が集まり20社に拡大。「建築物の清掃から排出される廃棄物の適正処理手引書」などをまとめている。

安倍首相投票など自民党総裁選を振り返る
      「働き方改革支援策」講演会で井野衆院議員/18年9月26日
(写真:働き方改革支援策のポイントを解説する井野衆院議員)

 群馬2区選出の井野俊郎衆院議員は9月25日、経済団体主催の「働き方改革に対する支援策」の講演会で、安倍普三首相と石破茂元幹事長の一騎打ちとなった、9月20日投開票の自民党総裁選について、両陣営からの激しい引き合いに「大変だったが、よい勉強になった」と振り返った。

 総裁選では事実上の自主投票となった竹下派に所属する中で、安倍首相に投票。同じ竹下派の小渕優子衆院議員は、石破氏支持に回った。

 群馬県連所属国会議員10人のうち、8人が安倍首相に投票。一方、党員・党友による地方票は、石破氏が安倍首相を上回った。

 「現職批判もよく聞いたが、一方の石破さんは、どのような国にしたいのか、ビジョンが見えなかった」と選挙戦を総括。お世話になった先輩議員からの働きかけには、誠意をもって応えたいという思いも吐露。次回は「フリーハンドで自分の思う人に」と決意を新たにしていた。

 講演の最後に「永田町人物図鑑」として、自身の政治活動を通して感じた、安倍首相や石破氏の他、自民党内や野党の要職にある国会議員数人を寸評。「政治の世界は政策よりも好きか嫌いかが、折り合えるか否かの基準」と、政界の人間模様を読み解いた。

 講演は群馬中小企業家同友会伊勢崎支部が、9月例会として主催。厚生労働委員として法案成立に係った強みを活かし、来年4月施行の「働き方改革関連法案」のさまざまな支援策を1時間以上にわたり解説した。

華麗な演奏とヴォーカルのダイナミックな歌声に酔う
      ジャズバンド「Isesaki dandies」デイナーショー/18年9月18日
(写真:演奏中のIsesaki dandies。左からピアノ小杉雄一さん、コントラバス天田隆さん、ドラムス斉藤忠男さん。手前がヴォ−カルの森田ちひろ(左)とJames.K,。その真後ろで見えないのが、ギターのスーパー清水さん)

 ジャズバンド「Isesaki dandies」(天田隆代表)は8月29日、日本料理の一心太助連取店(伊勢崎市連取町1797-1)で、酒味の会主催のデイナーショーに出演した。ゲストヴォーカルに招かれたのは、2009年の浅草ジャズコンテスト全日本グランプリを受賞したJames.K,、群馬県の女性ジャズトップシンガーの森田ちひろ。

 「オールオブミー」などのスタンダードジャズ、「イエスタディー」などのポピュラー。さらに「ゴッドファーザー愛のテーマ」「慕情」などの映画音楽など、幅広いレパートリー全20曲余を披露した。

 観客は食事を楽しみながら、華麗なバンド演奏に酔いしれた。重厚で迫力のあるJames.K,とパンチの効いた、時にはしっとりと会場に響き渡る、森田ちひろの歌声に聴き入った。

 固定メンバーの天田さんがコントラバス、小杉雄一さんがピアノ、スーパー清水さんがギターを担当。ドラムスで斉藤忠男さんが参加した。

 天田さんは会社役員、小杉さんは伊勢崎市内の歯科医、清水さんはカフェ&ライブハウスを経営しながらバンド活動。ステージは年10回程度で、県内のジャズクラブやライブハウスを会場に、30年近く活動を続けている。

 酒味の会主催のデイナーショーは今回で3回目。12月25日は一心太助連取町店で、クリスマスディナーショー開催も予定している。