伊勢崎出身鋳金工芸家「森村酉三」没後70年企画展その2
高崎観音像の原型制作にライバルが(2019/10/12)
【写真】左:森村酉三制作の高崎白衣大観音像銀製模型(原型 1936年)。中央:高崎白衣大観音像。右:清水多嘉示制作の観音像原型(1933年)

 高崎の白衣大観音原型制作者として知られる、鋳金工芸家の森村酉三(伊勢崎市生まれ 1897〜1949)だが、この制作にあたりライバルがいたことを、群馬県立近代美術館の没後70年「森村酉三とその時代」企画展の関連事業シンポジウム「高崎白衣大観音の謎に迫る」(9月29日開催)で、パネラーで同美術館学芸員の神尾玲子さんが明かした。これまでは群馬県内の研究者や評伝、解説で、白衣大観音を建立した井上工業創業者の井上保三郎が、地元の新進気鋭の彫塑家だった森村に依頼した、とだけ語られていた。

 1936年に建立された高崎観音は、鉄筋コンクリート製で高さ41・8メートル、重さは5,985トン。神尾さんはその2年前の上毛新聞記事(1934年5月29日掲載)などから、原型制作を森村が担当したことを紹介。一方で、長野県出身の彫刻家・清水多嘉示(1897〜1981)も原型制作に関わったことを、清水自作の観音と共に写った遺族の写真や雑誌「総合美術(1933年版)」を紹介しながら、制作が森村よりも先行していたことを明かした。

 清水は1923年から5年間、パリに留学。アカデミーでプールデルから彫刻の指導を受けていた。清水と同年齢で、井上安三郎の長男、房一郎がほぼ同時期に絵画を学ぶために渡仏。交流を深めていたことが、父の観音像建立の原型依頼への接点だったのでは、と神尾さんは推し量った。最終的に森村に決まった経緯は定かではないが、保三郎が房一郎の送ってくる、パリの公園に立つ国家功労者の銅像の絵葉書に感化され、観音像建立を思い立ったことにもふれ、父子2代にわたる様々な想いが込められた物語の存在を指摘した。

 シンポジウムでは井上保三郎・房一郎研究者で元井上工業職員の塚越透さんが、公共建設にも芸術性を求めた保三郎が、沼田中学校(現沼田高校)建設に当たり、森村に五条の鐘(1928年)の制作を依頼した経緯を紹介。元小学校長で、群馬歴史散歩の会編集委員の田口さんは、保三郎の天皇陛下単独拝謁が建立への思いを強くしたことを強調した。

 前橋学センター長の手島仁さんが、高崎観音山公園と観音像建立までの経緯などをシンポジウム冒頭で概略説明。質疑応答後に、森村の妻・寿々さんが2001年に亡くなる2年前に聞いたという「一生の仕事が出来て良かった。高崎観音像の仕事に関わることが出来たのは誇りである」とした、森村の観音像への特別な思いを紹介。以後、同様の仕事は一切、請けなかったというエピソードで、シンポジウムを締めくくった。

 企画展は群馬県立美術館で11月10日まで開催。問い合わせは同館(TEL:027-346-5560)へ。月曜休館(祝日は開館)で、観覧料は一般820円。

 伊勢崎出身鋳金工芸家「森村酉三」没後70年企画展その1

ヒット商品・新製品など新鮮海産物を一堂に
群馬丸魚グループが年度末商品展示会(2019/10/10)
【写真】群馬丸魚グループの年度末商品展示会。会場いっぱいに海産物製品が並ぶ

 伊勢崎地方卸売市場の水産荷受、海産物卸販売の群馬丸魚グループ(伊勢崎市八寸町5361−1、中里裕社長)は10月9日、同社事業本部物流センターで、恒例の年度末商品展示会を開いた。各展示ブースでは取引先115社が、従来の製品に加えて、自慢の一品や新製品などを来場者にアピールした。

 会場には鮮魚部門の刺身類その他、大物部門ではマグロ、カツオ他、塩干部門ではカズノコやスダコ他、加工部門はおせち類や練り製品など、多種多様な海産物が並んだ。来場したのはスーパーや量販店、飲食店などの関係者で、勧められた試食を味わいながら、興味深く品定めをしていた。

 海産物の嗜好変化、核家族化による消費者ニーズを踏まえた今年の展示会テーマは「3簡(簡便・簡食・簡素化)」。テーマに沿った独自性・創造性のある売り場創り提案、ヒット商品・話題商品などを揃えた。群馬丸魚の展示会担当者、塩干加工品課の都丸耕輔係長は「レンジだけとか、包丁を使わない食材。各部の惣菜化が進む中で、部門の垣根を越えた商品も」と、充実した商品提案を説明する。

周辺他社に先駆け スマホ決済導入「葬儀社」
定期開催「終活セミナー」で消費増税もテーマに(2019/09/29)
 【写真】左:利用者の利便性向上にスマホ決済やクレジットカード決済を始めた葬儀社。右:「終活セミナー」で講演するファイナンシャルプランナーの細田浩世さん

 10月1日からの消費増税もあり、買い物やサービス利用の会計のキャッシュレス化が進んでいる。葬儀社(本社・伊勢崎市寿町122−1)は周辺地域の他社に先駆けて、スマホ決済サービスを相次いで導入。同時に定期開催の「終活セミナー」では9月17日、「消費増税」をテーマに暮らしに必要な情報提供など、利用者の利便性向上を図っている。

 スマホ決済は、商品やサービスを購入する際、スマートフォンを店舗の専用端末にかざし、QRコードを読み取ることで代金を決済するサービス。国が消費増税後の一定期間、中小・小規模事業者のキャッシュレス決済を使ったポイント還元を支援するため、飲食店や小売店で活用が急速に広まっている。

 葬儀社が6月に導入したのが、100億円還元キャンペーンなどでも話題になった、PayPay(ペイペイ)。8月にはORIGAMI Pay(オリガミペイ)の取り扱いを始めている。葬祭業界の月刊総合情報誌「月刊フューネラルビジネス」編集部によると、スマホ決済は「都内では既に取り扱う企業もあり、仙台や福島で聞いているが、基本的に地方ではまだ少ない」と話している。

 同様にクレジット決済サービスも、他社に先行して、6年前から取り扱いを始めている。クレジット決済利用は現在、葬儀や仏壇・手元供養品販売などで1割弱を占めている。一方、スマホ決済はスタート直後のため、まだ利用がない。そこでスマホ決済も「皆さんに知ってもらって活用して欲しい」(深町善一社長)と利用を呼びかけている。

 「高齢者が、豊で充実した人生を全うしてもらうための啓発」を目的として、同社が毎月開催しているのが「終活セミナー」。9月17日開催の第104回目は、ファイナンシャルプランナーの細田浩世さんが「消費増税〜お金との付き合い方を考えるチャンスに〜」をテーマに講演した。消費税について考え、増税が生活に及ぼす影響をわかりやすく解説。老後2000万円問題と人生設計にもふれた。

伊勢崎出身鋳金工芸家「森村酉三」没後70年企画展その1
戦前の鋳金芸術の発展を担った 森村初の本格的な回顧展(2019/09/25)
【写真】左上:高崎の白衣大観音の原型模型。右上:佐藤藤三郎商店の建築プレート。左下:帝展出品作品「ペリカン(銀香炉)」。右下:会場ほぼ中央に展示した前橋市水道局の水道供用栓。撮影は全て9月21日

 伊勢崎市(旧宮郷村)出身の鋳金工芸家で、高崎の白衣大観音原型制作者として知られる、森村酉三(1897〜1949)の没後70年企画展「森村酉三とその時代」が、高崎市の群馬県立近代美術館で11月10日まで開かれている。恩師や同年代作家、妻・寿々の作品も含めた総展示は約140点に及ぶ、初の本格的な回顧展。当時の鋳金芸術が、時代とともに発展してきた推移も知ることができる。

 酉三は前橋中学(前橋高校)から沼田中学(沼田高校)を経て、東京美術学校鋳造科(東京芸大)に進学。在学中に農商務省主催の美術工芸展覧会に4回連続入選を果たすなど若くして頭角を現し、大正から昭和にかけて鋳金家として活躍した。戦前の帝展・新文展を通じて工芸部門で、群馬県出身者として活躍した唯一の作家として評価されている。

 酉三作品の展示は約90点。作品は花瓶や鳥や動物の置物、郷土名士の胸像や新田義貞像、公共鋳造物、高崎白衣大観音の原型制作など多岐に渡る。人物彫刻や公共鋳造物は戦時中の供出で多くが失われ、現存する作品は決して多くない中、都内や地元伊勢崎、前橋、高崎の個人所蔵家の協力も得て集めた。

 東京美術学校を卒業後、鋳金工芸家・彫刻家としての酉三をスタートから手厚く支援したのが、森村家と親しかったという、伊勢崎で織物原料商を営んでいた佐藤藤三郎商店。1924年(大正13年)竣工の瀟洒な店舗建築2階窓に、藤模様の鋳造建築プレートを制作。新築記念披露品として亀と兎の花瓶も製作している。

 問い合わせは同館(TEL:027-346-5560)へ。月曜休館(祝日は開館)で、観覧料は一般820円。10月28日の「群馬県民の日」の鑑賞者は無料。今後、多彩に開催する関連事業も併せて取材し、森村酉三の横顔を紹介します。

 伊勢崎出身鋳金工芸家「森村酉三」没後70年企画展その2

いせさきもんじゃでギネスに挑戦 伊勢崎商工会議所青年部
   10月6日開催「チャレンジフェス」で体験参加280人(2019/08/06)
【写真】伊勢崎オートレース場で開かれた、昨年のもんじゃまつりとグルメ大会

伊勢崎商工会議所青年部は、10月6日に伊勢崎オートレース場で開催する「いせさきもんじゃチャレンジフェスティバル2019」で、もんじゃ焼きのギネス世界記録に挑戦する。昨年は「いせさきもんじゃまつりと新・伊勢崎グルメ大集合」で開催するなど、「いせさきもんじゃ」を冠した一連のイベントは、今年で17回目を迎える。

イベント会場はオートレース場の東側。最大280人分のもんじゃ焼き鉄板を観覧席に南北に沿って並べ、一斉にもんじゃを焼く。もんじゃの一カ所、同時調理という体験参加の世界記録を目指す。会場内は他に伊勢崎グルメ・物産・お仕事体験エリアを設置。ステージでは伊勢崎清明高校、伊勢崎工業高校、玉村高校の学生バンドが、ライブコンサートを開く。

同青年部は、子ども時代の駄菓子屋のなつかしい味「いせさきもんじゃ」を地元のソウルフードとして、2002年からそのブランド化に取り組んでいる。全国PRにあたり、ヘラを背中に背負ったイメージキャラクター「もじゃろー」を2005年に誕生させている。鉄板コンロ・固形燃料付の「4人前お土産セット」は、青年部会員が商品化した。

全体イベントの開催時間は午前10時〜午後3時までで、ギネス挑戦は午前11時30分から1時間を予定。ギネス参加は無料だが、イベントチラシのQRコードからの事前申込が必要。受付開始は8月26日午前10時から。問い合わせは伊勢崎商工会議所青年部(TEL:0270−24−2211)か伊勢崎市文化観光課(TEL:0270−24−5111)へ。