「僕は絶対にあの人(指揮者)のようになる」小学1年生で宣言
   指揮者・ピアニスト・作曲家 東京芸大1年の須田陽さん/18年12月16日
【すだ みなみ】1999年10月30日、伊勢崎市連取町生まれ・在住。宮郷第二小、上野学園中学・高校を経て、東京芸術大学音楽学部指揮科1年在籍。学年有志の「ミレニアムシンフォニー」代表・指揮者。第9回横浜国際音楽コンクールピアノ部門高校の部第1位、第32回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール作曲室内楽部門高校生の部最高位など、ピアノと作曲で受賞歴多数。指揮を下野竜也、大河内雅彦、山下一史、ピアノを武田美和子、横山幸雄、田部京子、花岡千春、ソルフェージュ・作曲を渡辺俊哉の各氏に師事。(自宅のピアノ前の須田さん)
 「お母さん、僕は絶対にあの人のようになるよ」。そう告げたのは、小学1年の誕生日祝いで、チェコプラハ管弦楽団を指揮した武藤英明氏を目の前にした時だ。ひょんなきっかけから数ヵ月後、当時チェコ在住の氏からエアメールをもらい、交流を始めている。

 幼児の頃からピアノに触れていたのは、教室を開いている母の影響。漫画や絵本がわりに手に取っていたのは、クラシックのCDだった。1歳の頃は、しゃべるより先に鍵盤に手を置いていた。周囲からは早期の専門的な教育を促されたという。

 「オーケストラが見違える自然な棒の振り方、グィッ〜と引っ張る力がとにかくすごい」。そう驚嘆したのは、広島交響楽団音楽総監督で、京都市立芸術大学音楽学部教授の下野竜也氏が、群馬交響楽団を客演指揮した小学3年生の時だ。当時は上野学園大学教授だった縁もあり、学園への中学・高校進学に繋がった。

 東京芸大の指揮科の学年定員は2人で、今年その難関を現役で突破。東京・上野通学は、中高を含めると通算7年に及ぶ。中高時代は早朝や授業終了後のレッスンと超過密日程をこなした。通学電車の車中、作曲では譜面を取り出し、頭の中で音を並べた。

 指揮、ピアノ、作曲の3刀流を難なくこなすが、作曲はどちらかといえば「趣味の延長」と顔をほころばせる。作品は既に100曲近い。詩人の中原中也や高村光太郎などの詩に曲をつけたり、赤城山をテーマにした楽曲もある。

 留学を視野に入れる中で熱望しているのがフランスだ。近代フランスの印象派と新古典主義に心惹かれるという。カワイ前橋ショップで11月3日開催のピアノコンサートプログラムは、ショパンやラヴェル、ドビュッシー、メシアンなど、フランスに関わる作曲家にこだわった。

 逸材として真価を問われる第一歩のステージが、12月25日の東京・杉並公会堂。現代音楽作曲家の権代敦彦氏作曲「Saewol-海から」の日本初演に指揮を執る。大学では学年有志でオーケストラ「ミレニアムシンフォニー」を組織。9月の芸祭に続いて来年2月22日、初の外部演奏会(有料)を開く。(廣瀬昭夫)

 関連記事 “世界的マエストロ誕生”を予感させる逸材(18年10月26日)