高齢化社会を見据え、異色の認知症体感プロジェクトを開催
    伊勢崎青年会議所(JC)第56代理事長 栗原弘充さん(2019/04/20)
【くりはら ひろみつ】1984年1月21日、伊勢崎市境米岡生まれ・在住。境南中、星槎国際高校卒業後、都内のカラオケ店勤務を経て2003年、家業のマルクリ青果(伊勢崎市境米岡)入社。2017年専務。伊勢崎青年会議所(JC)入会は2011年。17年副理事長。日本JC関東地区協議会財政特別委員会委員長、日本JC財政規則審査会議幹事で出向。2019年1月、伊勢崎第56代JC理事長。
 あんみつを頼んだのにわらび餅が運ばれてくるような「注文を間違える茶屋」が1日限定の4月13日、境地域福祉センター(伊勢崎市境上武士)にオープンした。来店者は開店前に、装着したゴーグルのバーチャルリアリティ(VR)技術で、認知症の幻視症状などを体験する。2025年には5人に1人が発症すると言われる認知症。伊勢崎JCが企画した、その体感プロジェクト「みらい創造セミナー」だ。

 定員50人は満席。「間違えたことを責めずに受け入れる」「声を掛ける言葉が違ってきた」など、参加者の気づきには熱がこもる。前年度に理事長の打診を受ける中で自ら企画。準備には伊勢崎佐波医師会や医療法人関係者と担当メンバーらが事前相談。高齢化社会を見据えた若者(JC在籍は20〜40歳)の企画に、相談先では「意外」だけれど「面白い」と、多くの協力と賛同にも確かな手ごたえを感じた。

 人口減少・高齢化社会を悲観的にみることなく、生産年齢人口層と高齢者層が協働する社会への進化の過程と捉える。日本人が古来持っている「助け合い」「和の精神」を強調。それを発揮できる人材の育成を自らと組織に求める。学びと積極的な行動で健全な新陳代謝を図る。同時に組織の拡大には卒業OBの輩出も「数の力」として、JC活動が目的とする持続的な「明るい豊かな社会の実現」を目指す。

 兄が社長で、専務として営業全般を担当している社業は青果卸。関連会社で農業生産法人も持っている。食の好みや多様化する業態の変化への対応が課題で、カット野菜などの加工やパッケージ化もその一環。地域活性化も視野に、今まではなかった食品素材として、県内産やまと芋100パーセントの粉を商品化している。

 県内私立高校を1年の1学期で中退し、全国から生徒が集まる、自由で特色ある校風の星槎国際高校に編入学した。自分の居場所を求めて親を説得。あえて困難な道を選び、都内のキャンパスにアパートから通学した。この3年間と卒業後も都内に留まり2年半勤めた、カラオケ店の接客や裏方アルバイトが、人間修行の場だったと振り返る。

 家族は妻と長男(9歳)、二男(6歳)の4人家族。子供たちに今から言い聞かせているのが「大事なことは自分で決めろ」。休みがあれば足を運びたいのが、日本のロックバンド「ネバーヤングビーチ」と「ヨギー・ニュー・ウェーブス」のコンサート。Jリーグ開幕以来の「浦和レッズ」のファンで、年に5回はスタジアムで応援している。理事長としての多忙な活動もあり「 今シーズンは一度も行けそうにない」と諦めている。(廣瀬昭夫)