伊勢崎神社で紙芝居を上演する石原さん(左)。DVD上映の紙芝居の原画を手にする佐藤さん

伊勢崎空襲、ヒロシマ被爆者の悲惨さ伝える紙芝居一堂に/平和記念講演会
紙芝居繋がりで2人を臂市長が引き合わせ共演実現(2023年6月12日)

 紙芝居などで悲惨な伊勢崎空襲を語り継いでいる「伊勢崎空襲を語り継ぐ会」(佐藤好彦会長)を中心とした8月19日開催の平和記念講演に、今年は新たにヒロシマ被爆体験者の紙芝居が披露される。上演するのは伊勢崎市出身で茨城県土浦市を拠点に活動するほか、伊勢崎神社の境内で毎月、紙芝居を上演している「つちうら駄菓子屋楽校」校長の石原之壽(のことぶき)さん。2人は臂泰雄伊勢崎市長の引き合わせで共演が実現した。

 講演会タイトルは「紙芝居と絵本で伝える伊勢崎空襲と平和」。3部構成の第1部でDVD化した紙芝居「わたしたちが駆け抜けた青春 伊勢崎空襲の記憶」を上映する。伊勢崎高等女学校生徒と中島飛行機伊勢崎工場勤務の青年の目を通して空襲の惨禍を伝える。DVDは紙芝居の原画を担当した佐藤会長を中心に3年前に制作した。

 第2部の紙芝居「英(ひで)ちゃんと原爆」は、山口県岩国市の山田英子さんが10歳の時、疎開先の広島で被爆した体験を語り部として自らが作った紙芝居。紙芝居でまちおこしに取り組んでいた石原さんがこれを知り、山田さんの許諾を得て2年前に土浦市で企画、上演している。石原さんは伊勢崎の民話や伝説を基にした創作紙芝居を伊勢崎神社で定期的に上演。壽ちんどん宣伝社座長として、ちんどん屋も引き連れて来場者を楽しませている。

 第2部では伊勢崎空襲の被災者の証言を、郷土史家の故星野正明さんがまとめた紙芝居「星になった母」も上演する。紙芝居は殖蓮公民館で活動、作品を制作した「まんてん紙芝居の会」が、戦禍の恐ろしさをリアルに伝えるために2年前に作った旧版の約1.6倍(43cm×62cm)の拡大版を披露する。DVD紙芝居の朗読で協力した「読み語りの会はすの実」が、第3部で平和絵本の読み語りを行う。

 「伊勢崎空襲を語り継ぐ会」が主催する平和記念講演は2015年に始まり、コロナ禍の3年間を除いて続いていた。佐藤会長の紙芝居制作は今回の作品で3作目。こうした活動を知る臂市長が、石原さんの市長表敬訪問時に、紙芝居繋がりで佐藤会長にも声を掛け2人を引き合わせた。ごく自然に共演話が持ち上がり、石原さんの参加が実現した。

 平和記念講演会の主催は「まなびぃ先生自主企画事業」(登録者は佐藤好彦さん)。会場は伊勢崎市絣の郷 円形交流館。8月19日午前10時開演で、入場料無料、定員は100人。問い合わせは佐藤さん(090−8476−9430)へ。