(上:左から青木さん、高橋さん、小澤さん/撮影は伊勢崎市内飲食店 下:南牧村にオープンした「星尾温泉 木の葉石の湯」ヒノキの浴室)

第2の人生にボランティアで伊勢崎市民が3人も
南牧村の活性化に住民や村外者が秘湯復活に参集


 群馬県南牧村の最西北部、長野県境の星尾地区に、68年ぶりに復活した秘湯「星尾温泉 木の葉石の湯」。巨岩の上に建つ古民家を住民や村外者有志が手作りで改装し、日帰り温泉として9月に開業した。地元食材を使ったレストランや休憩所も併設している。

 温泉復活の目的は、誘客による内外の交流促進と若者の雇用創出だ。昨年4月発足の復活プロジェクトメンバーは、伊勢崎市民3人を含む15人。地区内で古民家民宿を営む代表の米田優さん(71歳)と道子さん(73歳)は夫婦参加。2人は村の豊かな自然に魅了され、12年前に千葉県から移住してきた。

 同様に6年前に移住したメンバーが、温泉施設代表で太田市出身の小保方務さん(42歳)。長野県出身で事務局の松林建さん(51歳)は、昨年10月に都内から移住している。他メンバーは都内、千葉、埼玉から月1回ペースの集まりに駆けつけ、またそれぞれ都合のつく日程で、古民家改装にボランティア参加してきた。
   
 伊勢崎市内から参加したのは、旧NTT勤務の高橋雅洋さん(69歳、田中島町)、公務員だった青木孝彰さん(68歳、山王町)、県内スーパーに勤務していた小澤耕一さん(67歳、戸谷塚町)。青木さんと小澤さんは、小中高の同級生。その青木さんと高橋さんは、伊勢崎市内の公園整備などのボランティア活動で知り合った。

南牧村の自然と風景に感動 秘湯復活のロマンに魅せられる

 高橋さんが4年前、知人の誘いで南牧村を訪れ、その自然や風景に感動。切干いもの加工施設建設などの村興しを手伝う中、温泉プロジェクトにも誘われた。秘湯を復活するというロマンに魅せられ、青木さんと小澤さんに声を掛けたのが、参加のきっかけだ。

 作業は借りた古民家の一部解体から始まった。高橋さんは技術者だったキャリアを活かして改装時の電気工事を中心に担当。手伝いは月に4日から5日で、泊まりが多かったという。現役時代はデスクワークだけだった(高橋さん談)という小澤さんと青木さんは、片付けや清掃などの雑用、一輪車で土砂運搬など力仕事もこなした。

 古民家は床を張替え、レストランや休憩所に改装した。ヒノキ風呂の男女浴室は、基礎コンクリートを打設した庭に建屋を整備した。ボイラー調達資金はインターネットのクラウドファンディングで確保。施設から約180mの距離にある源泉は、新たに給湯管を敷設し引湯している。

 メンバーの多くはそれぞれ第二の人生をどう生きるかを模索する中でプロジェクトに参加。作業は先が見通せない時期もあったが、代表が鼓舞する本気度で団結力が高まり、暗礁を乗り切ることが出来たという。

 高橋さんは「同世代が力を合わせ、語り合う中で、今までにない充実感を得た。地域で若者が生活できるような環境づくりに取り組む中で、これからも多くのことを村から学びたい」と今後の施設管理・運営も見据える。

 源泉の「塩水鉱泉」は昭和25年(1950年)まで、集落の公衆浴場に使われていた。源泉は15度程度で、加熱して掛け流しで利用している。透明だが鉄分を含み、空気にふれると茶色に変色する。温泉成分のカルシウムで石に張り付いた木の葉を凝固させることから「木の葉石」と地元では伝えられていた。

 温泉は米田代表が経営する体験型古民家民宿「かじか倶楽部」(南牧村星尾1235-1)のすぐ近く。営業は午前11時〜午後6時(受付は午後5時半)までで、月曜定休。入湯料は中学生以上1000円、4歳〜小学生500円。問い合わせは米田代表(電話090−1558−2899)へ。(2018年11月1日)

「1面ニュース記事」(いせさき新聞2004年〜2018年)の過去記事。
2004年〜11年 2012年〜13年 2014年〜17年 2018年1月〜8月