JR伊勢崎駅前の選挙事務所で会見する石関氏

責任政党構築に向け無所属で自民党に代わる選択肢を
衆院選2区で元職 石関氏が出馬会見(2024年10月13日)

 衆院選で群馬2区から無所属で立候補する元職の石関貴史氏(52歳 伊勢崎市宗高町)が13日、JR伊勢崎駅前の選挙事務所で記者会見を開いた。立憲民主党の擁立断念などで実質的な「自民党政権の信任投票になる」ことを危惧。裏金・旧統一教会問題などの真相究明や政治改革に不誠実な自公民政権に代わる責任政党構築を視野に、政党出馬をギリギリまで模索し「考え抜いて無所属を決断。出ないという選択肢はなかった」と決意を語った。

 会見を行った選挙事務所2階からは駅周辺総合開発で整備途上の伊勢崎駅前が見渡せる。なじみの商店や通学区内だったことから多くの同級生も住んでいたが「整備されて景色が変わった一方、人がいなくなった」と郷愁を込めて語った。一方、タワーマンションを目にする都内と行き来する中、外国人を含めた富裕層の話題にもふれ、地域間・階層間の格差是正を訴えた。「分権改革」として、国の権限、財源、一部課税権、生活分野の法律制定権の地域・地方移譲も公約に掲げた。

 中間階層の活力を取り戻すため経済政策として子育て、教育、少子化対策、農家の個別補償など家族支援を強化し、勤労所得、家計所得の最大化を推進。上がり続ける税金や社会保険料を是正し、ガソリン代・電気代を補助金で支援する。消費税を一時的に引き下げ、この間の赤字は国債で賄うことで消費拡大など、生活者優先の経済政策を推進する。

 日米安保を基軸とする外交では、アジア諸国との多国間協調体制の構築を強調する。自らは覇権を求めず、他国の覇権を認めない「謙虚に、しかし毅然として発信する外交」を目指す。強気一辺倒だった、かつての議員時代の言動がなりをひそめた「謙虚に毅然として」の言葉は、現在の凝縮された政治信条にも読み取れた。落選後に離れていった支援者もいるが、変わらずの応援、政治の現状を憂い戻ってきた支援者、さらに新たな支援の話題には頬を緩めた。

 10月15日公示、27日投開票の短期決戦に加え、政党出馬をギリギリまで模索したため会見時点での選挙活動日程は未定。今後随時発表するという。ポスター掲示は16日12時以降に始める予定。SNSは前回も取り入れたユーチューブのショート動画で日々の選挙活動を配信。X(旧ツィーター)、ティックトック、インスタグラムも活用する。選挙対策本部長には伊勢崎東校空手部後輩の高橋宜隆伊勢崎市議、同幹事長に河原井始桐生市議、同支部長に田村幸一市議、同副幹事長に無所属で国政に出馬した共通体験を持つ森田修元市議が就いた。

【横顔】昨年はクマにも遭遇したという渓流釣り。静寂に包まれた深い山奥で、無心に釣り糸を垂れる時間が最高の癒しとなっている。「1日1本」のペースで鑑賞する映画は、3年前の選挙取材時はベストに小津安二郎監督の「東京物語」(1953年公開)を挙げたが、今回はジュゼッペ・トルナトーレ監督の「ニューシネマパラダイス」(1989年公開)を記者たちに薦めていた。目立ち始めた前髪の白髪には「あまり気にしていない。似合うという人もいる」としたが「時間的に余裕があれば(染めたい)」と迷うなど、この件では"優柔不断"な面をのぞかせた。

【略歴】1972年伊勢崎市柳原町生まれ、1990年県立伊勢崎東校卒業。94年早稲田大学卒業後、郵政省(現総務省)入省。99年伊勢崎市議、2003年群馬県議。2005年衆院議員、以後4期連続当選。