【写真】丁寧に言葉を選びながら、施策を語る臂伊勢崎市長

「新型コロナウイルス対策に万全を期す」
 臂泰雄伊勢崎新市長に聞く―2021【1】

 新型コロナウイルスの感染拡大が、市民生活や地域経済に大きな影響を及ぼしている。伊勢崎市は感染者の増加で6月13日まで、まん延防止等重点措置の適用地域。市民には不要不急の外出自粛、事業者にも感染防止対策の徹底を呼び掛けている。臂泰雄伊勢崎市長は就任早々の2月5日、市独自の緊急事態宣言を発出し、山本一太群馬県知事と共同会見するなど、精力的に動いてきた。コロナ対策に加え、臂市長が打ち出している新たな取り組みなどを中心に聞いた。

 ― 新型コロナウイルス対策について、現状と今後について教えてください。

 臂市長 市内でも4月下旬から感染者数が増加している。地域の医療提供体制を維持していくためにも、その対策は重大局面にあると認識している。ワクチン接種では、既に高齢者施設の入所者から接種を開始。5月中旬以降はワクチン供給の目途が立ったことから医師会のご協力をいただき、身近なかかりつけ医での個別接種を推進している。本市としても、まん延防止等重点措置の適用となっている中で、引き続き県と連携を図り、感染症対策及び円滑なワクチン接種に向け、万全を期して対応していきたい。

 ― そのワクチン接種ですが、「危機管理上の必要性から」として、市長ご自身は既に接種(1回目4月27日、2回目5月18日)を終えています。「要職にある人の先行接種は当然」という声もありますが、1回目の接種前あるいは接種後、速やかな公表(記者会見は5月14日)などについては、どのように考えていたのでしょうか。

 臂市長 ワクチン接種は医療従事者、65歳以上の高齢者、基礎疾患のある方と、優先順位は決まっている。私の場合、高齢者枠の中で、射てる時に射たしてもらいたいと希望していた。医療従事者と同列に考えたり、キャンセルで余ったワクチンを射とうと思ったわけではない。そうした認識のため、あえて公表という考えには至らず、そうこうするうちに5月の連休明け頃からこの件が全国的に話題になっていった。射つ時点で話題になっていれば当然、公表はしていた。ただ今考えると、その時速やかに公表しておけばよかった、という思いはある。

    コロナ対策の県認定店に応援金

 ― 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、地域経済も疲弊しています。今、力を注いでいる対策は。

 臂市長 県が実施している「ストップコロナ!対策認定制度」の市内認定店を支援するため、応援金の申請受付(1店舗1回限り)を始めている。市内の認定店はこれまで441店、県申請受付で475店が手を挙げている。認定店は1000店を目標に、市内企業に認定取得を促している。応援金の交付対象はこれらの認定店で、5月末時点での申請は72店となっている。

 ― 毎年発行していたプレミアム商品券発行もコロナ対策として大幅に予算を割いています。

 臂市長 地域経済活性化のために市は毎年、10パーセントのプレミアム商品券を発行していた。当初は市内760店を対象に、総額2億2000万円の商品券発行を予定したが、総額を13億円、プレミア率も30パーセントに増額し、県の認定店を対象とする「使って応援!コロナ対策認定店支援発行事業」に切り替えた。(2021年6月3日)
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