【しんどう やすし】1980年5月6日伊勢崎市柳原町生まれ・同市華蔵寺町在住。伊勢崎市立第三中学、群馬県立伊勢崎商業高校、関東短期大学卒業。群馬社会福祉専門学校卒業後、みやさと保育園勤務(伊勢崎市田中島町)。保育士・介護福祉士。15年あかべこ児童クラブ・19年さくら児童クラブ副代表。2013年1月、市議会議員補欠選挙で当選。総務委員会委員長、副議長、少子高齢化対策特別委員会委員長などを経て22年5月、42歳で市議会史上最年少の議長に就任。現在4期目。伊勢崎クラブ所属。妻と子供2人の4人家族。
「楽しかった」制定過程/施行1年の市議会基本条例
伊勢崎市議会議長 新藤靖さん(2023年4月24日)
コロナ禍で日常が戻り始める中、行政区や各団体の式典やイベントに議長として招かれた。「『開催していただき、ありがとうございます』。冒頭にこうした感謝の言葉を述べる機会が多かった」と議長一年を振り返る。市議会代表挨拶を重ねる中「それぞれに地域の色が出ている」と改めて気づかされた。加えて地域ごとの産業祭などでは、香しい食べ物の匂いの違いを再認識。挨拶ではそれらの地域の特色に触れ、会場を盛り上げた。
市議会と議員の活動原則、市議会の機能強化などを明文化した市議会最高規範となる「伊勢崎市議会基本条例」(全9章27条)が昨年5月に施行された。運用開始から1年を迎えるが、制定にあたっては伊勢崎クラブ内で若手中心メンバーとして意見を交わし、その調整、集約に関わった。制定後は「やっと終わった」という達成感とともに、様々な考え方や意見のぶつかりあいは「楽しかった」と思い起こす。
条例前文には臂泰雄市長も政策に掲げる「共生社会の推進」を盛り込み、「議論を尽くす・市民に開かれた・専門性のある議会」など目指して「チーム議会」で取り組むことを表明している。とはいえ「細部はまだ詰めきれていない部分もある」として「条例検証及び見直し」条項を設けた。今後運用を図る中で、条例理念の整合性を図りながら毎年見直していく。近くその会合を始めるという。
市町村合併後の伊勢崎市議会初代議長(2015年)が叔父の新藤晄旦氏。「他の立候補者の選挙も手伝うなど身近に政治に触れる機会や市政に素朴な疑問を感じた」ことが立候補のきっかけだった。4期目のベテランとなった今では、決算特別委員長を務めたこともあり、予算案・決算は「安全安心、災害、医療、福祉、教育など、関心や気がかりなことは1円たりとも疎かにしない」姿勢で事業や数字をチェックしている。
保育士として9年間、保育園に勤務していた。朝から夜8時近くまで常に子供と一緒だった。「座って靴下を履いていた子が、立って履けるようになるのは、その時しかわからない。そうした成長を見ている楽しさ、それを親に伝えて喜ぶ姿を見ることもうれしかった」。議員活動の傍ら時間が空くと、今でも副代表を務めている2か所の児童クラブに足を運び、子供たちの相手をする。多忙な時間の中、自分自身を癒す時間にもなっている。