
【いした やすのぶ】1963年10月、伊勢崎市本町生まれ、宮子町在住。伊勢崎東高、青山学院大学卒業後、千野時計店入社。91年に家業の井下時計店に入社し97年社長。伊勢崎青年会議所理事長、伊勢崎本町百店会理事長、伊勢崎商店会連合会長など歴任。2011年、群馬県議に初当選し、現在4期目。23年自民党幹事長、25年5月県議会議長。
「信頼」を信条に「最後は伊勢崎をもっと良くしたい」
第99代群馬県議会議長 井下泰伸さん(2026年5月5日)
第99代群馬県議会議長 井下泰伸さん(2026年5月5日)
福田康夫元総理、新日鉄社長や日本商工会議所会頭を務めた三村明夫氏の他、さまざまな分野で活躍している群馬ゆかりの8人と対談した「次代へつなぐメッセージ」。政治や議会への関心を高めてもらうための取り組みのひとつとして議長就任後、自ら企画した。人選にもこだわり、約束も自身で取り付けた。とりわけ「本人と出会い体感したその迫力、熱い思い、生き様を受け止め、これからの人たちに伝えていきたい」と、その意を強くした。
議長就任後には、さまざまな行政・地域や諸団体行事に招かれ、関係者に直に触れ合う機会も得難い体験だった。「今までは群馬全体を表面的に、頭でわかっていたつもりだった」。企業誘致や移住先としての人気の高さ、森林・水資源などの環境に恵まれ、首都圏に近くて災害が少ないといった地の利など「ポテンシャルの高い可能性に満ちた郷土」を再認識した。
一昨年の自民党幹事長時代に前副知事の再任を巡り、議会と山本一太知事の間で生じた溝。「信頼関係が何よりも大切」と信頼を強調し、執行とは緊迫感を持ちながらも「何かを行なう時は事前に相談が欲しい」と山本知事には注文をつける。昨年は桐生市の新庁舎建設で相沢崇文県議(桐生市区選出)の逮捕問題に揺れた県議会。その長として県民に不信感を与えたことを謝罪し、「私も聞きたい」と当人に説明責任を強く求めた。
かつての賑わいを失った伊勢崎市の中心街、本町通り。時計店を構え、商店会の理事長、連合会長を歴任し、その歴史を目の当たりにしてきた。時代の変化は自社業態におよび、シャッターを下ろす前に当該地で賃貸経営に転じている。市が賑わい創出の核とする駅南口、新保健センター、伊勢崎織物協同組合所有地に計画中の図書館複合施設にも触れ「歩いて生活できる暮らしに」と発想のゆるやかな転換を示唆。政治活動の仕上げは「ふるさと伊勢崎をもっと良くしたい。最後はそこ」と力を込めた。
映画「明け方の若者たち」(松本花奈監督)、書籍「成瀬は天下を取りに行く」(宮島三未奈著)の青春群像に自らの青春時代を重ね合わせた。「世界秩序が変わるとき」(齋藤ジン著)では、世界の様変わりと強い日本の必要性を意識した。何も考えずに飛ばすだけだったゴルフは考えるプレーに転換し「ますます面白くなってきた」。県内でも有数の老舗時計店の四代目ながら、政治家転進後、腕時計はセイコーの電波ソーラーチタンを愛用している。





