【写真】鶴牧住職の遺影と門前の案内板「山門不幸」(後方は新築した武家門)

同聚院住職 101歳の鶴牧さん死去
3月26日に本堂で告別式 

伊勢崎市重要文化財の「武家門」や市の天然記念物「大カヤ」で知られる、JR・東武伊勢崎駅南口の禅宗寺、曹洞宗白華山・同聚院(曲輪町)の二十世住職、鶴牧信雄さんが1月26日に亡くなった。70年にわたり同院の住職を務め、享年101歳の大往生だったという。通夜を3月25日午後4時から、告別式を26日午前10時から同院本堂で行う。

1918年生まれの鶴牧さんは1932年に得度し、1941年に駒澤大学を卒業。兵役、真珠寺(前橋市)住職を経て1950年、同聚院住職に就く。群馬県曹洞宗宗務所長を5年、宗議会議員など2期8年間務めた。伊勢崎市子供会連合育成会会長、市立第一保育所長、伊勢崎佐波保護司会会長など、各種社会教育団体の要職も歴任した。

仏教の教えや年中行事、修養訓などの伝道文。門前に掲げた鶴牧さんのこの数行の語りかけが、道行く人の心を和ませてきた。書き連ねた文章を古希、米寿の記念に「門頭掲示伝道録」として自費出版している。5年前から体調を崩し、三女の野口和子副住職が、自宅で周囲の協力も得ながら介護してきた。1月26日の午前中、本堂に法事に行く時に声をかけると「ご苦労様」といつもの労いの言葉。夕方、野口さんが見守る中、自宅で安らかに永眠したという。

同聚院は1159年、領主の三浦介義明氏が建立。1600年頃築造の武家門は、稲垣長茂の屋敷門として建てられた。2017年に新しい山門が建ち、重要文化財の武家門は北隣に移築している。本堂の北側にそびえ立つ、天然記念物の大カヤの樹齢は約650年。高さは38mで、根本周りは10mに及ぶ。1995年に建てられた坐禅堂では毎年12月、1週間かけて毎晩坐禅を行う接心会が開かれる。またこの期間以外でも、市民の他、評判を聞きつけた遠方からの来訪者も利用している。(2020年2月25日)

   いせさき新聞2008年8月1日掲載 鶴牧さんインタビュー記事