【写真】冊子「おせっかいなまち あずま」(保存版)と冊子を手にする小暮代表

地域の見守りに「お節介」の精神を活用するマニュアル冊子発刊
地域の支え合い体制づくりに取り組む「あずま地域協議体」

 住民同士で支え合おう、という地域づくり団体「あずま地区協議体」(小暮利明代表)は、お節介のマニュアル冊子「おせっかいなまち あずま 〜さりげない見守り・無理のない見守り〜」を5月1日に発刊する。関係団体や関係者に500部配り、お節介の輪を広げる。4月27日には、あずま公民館で関係団体を招き、発刊説明会を開く。

 冊子では気軽な笑顔の「おはよう」「こんにちは」のあいさつが、相互の元気を知り、知らせる活動の第一歩と提言。これを推し進めた「見守りおせっかい」で、高齢者の異変、子供の悩みや助けを求める声なき変化の察知を促そうと呼びかけている。少し変だな、程度の変化から緊急事態までの具体的事例も列挙。気付いた際の対処方法、各種団体や行政相談先などを紹介している。

 同協議体が事前に実施したアンケートによると、近所の困りごとには世帯の約8割が対応可能と回答している。そこで「余計なお世話」扱いされているお節介の人情を見守り活動に活用。具体的な行動に広げようとマニュアルを作成した。子育て世代の転入、町内会行事などの不参加が5割(未回答含む)もあり、住民同士の交流を深めてもらおうと、あずま地区、各行政区の行事なども紹介している。

 全国の市町村は少子高齢化が急速に進む中で、地域の実情にあった高齢者の暮らしを地域で支える「地域包括ケアシステム」の構築に取り組んでいる。伊勢崎市はその一環として2016年4月から、市内の11圏域に協議体の発足を促し、住民主体の自主的な地域づくりを支援している。

 あずま地区協議体では毎月1回程度の会議で発刊準備を進めてきた。参考にしたのは東京都練馬区の光が丘地区連合協議会の冊子「おせっかいなまち光が丘〜孤立死ゼロをめざして〜」。小暮代表は「地域の皆さんと、様々なお節介に関する情報を共有することで、地域がより安心して暮らせるよう一緒に考えていきたい」と発刊の意図を力説する。(2019年4月25日)