修正に真っ先に動いた堀地和子伊勢崎市議
   「第3子以降の出産祝金廃止条例案」否決までの舞台裏/その2(2019/07/04)
【写真】伊勢崎市議会で「第3子以降の出産祝金廃止条例案」に対し、真っ先に修正へ動いた堀地和子伊勢崎市議と5人の市議が署名した修正動議

 伊勢崎市議会3月定例会の新年度予算審議で「第3子以降の出産祝金10万円廃止案」に対し、あまりにも性急としてその周知徹底や経過措置の必要性を求めて修正へ、最初に声をあげた堀地和子伊勢崎市議に聞いた。

 ―― 2月13日開催の議員運営委員会で突如として議案が浮上し、3月7日に所管の文教福祉委員会で可決されるなど、最大会派の伊勢崎クラブの意向により、粛々と廃案可決に動いた伊勢崎市議会。多数決原理の民主政治の中、あえて声を上げたのは。

 堀地市議 財政が厳しいことや多数決原理からいけば仕方のないこととわかっていたが、廃止するにはあまりに周知期間が短く経過措置も講じられていないことから、まずは本会議の質疑で執行の考えを問い質した。この時も執行からは納得のいく回答を得られず、「このままで議案を通してはいけない」と痛切に感じた。

   修正に向け、まずは一人会派部屋で賛同を募る


 ―― 状況は多勢に無勢。どのように動いたのですか。

 堀地市議 6人が在籍する一人会派部屋で訴え、一部が躊躇するなか唯一、高橋宜隆市議が協力を申し出てくれた。大きく前進したのは2人会派、平成クラブ(田村幸一代表・森田修市議)の賛同。この間、小暮笑鯉子市議(伊勢崎クラブ所属)からも相談を持ちかけられ、女性同士で議案の修正を共有した。議運に席(3人会派以上の市議で構成、伊勢崎市議会は特例で2人会派以上)を持つ田村代表の協力で、本会議での修正動議に向け、短期間で議運への修正案提出にこぎつけた。

 ―― 5月10日に高橋宜隆市議と2人で有志会を発足したのは、この時の教訓もあったのですか。

 堀地市議 一人会派による自由な議員活動のメリットの一方、今回の件ではその限界も感じた。議運に席を置くことで、議会情報を先行して取得し、今後の議員活動に活かしたいと思った。

   「民意を受けたら会派の意向ではなく、議員個人の意見を」
 

 ―― 本会議の採決で出産祝金廃止案の修正動議は予想通り否決されました。その後の採決で、廃止案に賛成だった伊勢崎クラブが急転、廃止案反対、という想定外の行動に転じた要因についてはどのように考えますか。

 堀地市議 伊勢崎クラブ内には、いつになく様々な意見が噴出し、若手などは「修正案で良いのでは」という声もあったと聞いている。それぞれの議員を支える支援者の声や議員の考え方を尊重すれば、自主投票でもおかしくなかったはず。民意と言うより、会派事情、会派の都合が優先された結果では。

 ―― 伊勢崎市は6月議会で、出産祝金を20年度まで2ヵ年継続を明らかにしました。今回の議会の一連の顛末を振り返って。

 堀地市議 出産祝金は財政規律の面からもあのまま存続させるわけにはいかない。執行が表明したように、子育て支援全体を見直す中で検討する必要がある。今後は執行に全てお任せではなく、議員個人や会派というより、議会として大所高所からこれらの問題に取り組むことが重要だと感じている。
 一方、真の民意を受け止めたら、議員はいざとなれば会派としてではなく、議員個人としての意見、意志を貫きたい。一人ひとりが“サムライ”として行動し、加えていかなる決断であっても説明責任が伴うことも自覚したい。


「第3子以降の出産祝金廃止条例案」否決までの急転の舞台裏/その一

伊勢崎市議会の会派構成