
【写真】下水道管を通ってきた汚水を浄化する伊勢崎浄化センター(市ホームページより)
― 地震や台風などの人災に加えて、最近は埼玉県八潮市で発生した県道陥没事故で公共下水道の管理に関心が集まっています。市の公共下水道の現状と今後の対応は。
臂市長 市の公共下水道は1977年(昭和52年)に供用を開始し、汚水管と雨水管の総延長は約520キロメートルあるが、耐用年数とされる50年を経過した管路はまだない。八潮市ほどの大口径の管路はないが、それでも口径1メートル超えはある。今後の下水道管路の健全度を把握する調査を昨年度、特に重要な管路2・4キロの調査を実施した。調査は今年度以降も継続し、事故などの発生を未然に防ぐ点検や調査体制の強化を図っている。八潮市の事故を目の当たりにして、経過年数にとらわれず点検・調査を行い、補修や更新が必要とも考えている。伊勢崎市浄化センター(羽黒処理場 茂呂南町)周辺の管はそろそろ50年を経過するので調査、補修に入る。その場合、技術が進んで敷設替えではなく、今ある管の中を補修することで更新を可能にもしている。
― 人口減少の中で持続可能な下水道事業運営に向けて、市は全体計画の見直しを始めています。
臂市長 市の汚水処理人口普及率は70・3%(2023年度末)で、県平均の85・0%(前同)
を下回っている。その整備費用を国からの補助金などで賄い、維持管理を市が負担している。人口減少と厳しい経営環境の下水道事業は今後、従前の計画に基づく下水道整備は困難な状況だ。そこで将来人口予測などを踏まえ、下水道と浄化槽の優位性の評価を行った。投資効果が見込まれる地域は下水道整備を推進する一方、長期間の整備が見込めない場合は、合併浄化槽による汚水処理への転換を進める計画の見直しに着手している。
※編集部注 市は公共下水道全体計画見直し案を1月26日から2月26日、市庁舎内や各公民館などで15回の個別説明会を開催。区域などの見直しで、従来の下水道計画面積約6449ヘクタールを約3880ヘクタールに縮小。今年度内に都市計画決定と公共下水道全体計画の決定を予定している。
― 自然災害に備える防災対策や情報発信で新たな取り組みも。
臂市長 防災・減災情報を一元化し、より多くの市民に必要な情報をより伝わりやすくする手段として新たにYahoo!防災速報アプリを導入した。アプリをインストールしたスマートフォンには、警戒・避難レベルの重要な情報が到達した際、サイレンが鳴りプッシュ通知で画面に視覚的に表示される。視覚障害者に配慮した音声読み上げ機能もあり、多様な市民に確実に情報を届ける仕組みになっている。WEB版ハザードマップ、避難所開設やその混雑状況、災害用掲示板web171(災害用伝言版)などもアプリ内に集約。必要な情報を得やすくしている。一番大切なことは、市民一人々々が地震や河川の氾濫などの災害に対して、いかに自分事として考えるかの意識改革だ。一部地域では独自の地域防災マップ製作など、より積極的な取り組みもみられる。こうした活動が、もっと広がって欲しい。(次回に続く)
【1】【2】【3】
公共下水道全体計画見直し 人口減などで従前面積の6割に縮小
再選した臂伊勢崎市長に聞く‐2025【3】(2025年4月20日)
再選した臂伊勢崎市長に聞く‐2025【3】(2025年4月20日)
― 地震や台風などの人災に加えて、最近は埼玉県八潮市で発生した県道陥没事故で公共下水道の管理に関心が集まっています。市の公共下水道の現状と今後の対応は。
臂市長 市の公共下水道は1977年(昭和52年)に供用を開始し、汚水管と雨水管の総延長は約520キロメートルあるが、耐用年数とされる50年を経過した管路はまだない。八潮市ほどの大口径の管路はないが、それでも口径1メートル超えはある。今後の下水道管路の健全度を把握する調査を昨年度、特に重要な管路2・4キロの調査を実施した。調査は今年度以降も継続し、事故などの発生を未然に防ぐ点検や調査体制の強化を図っている。八潮市の事故を目の当たりにして、経過年数にとらわれず点検・調査を行い、補修や更新が必要とも考えている。伊勢崎市浄化センター(羽黒処理場 茂呂南町)周辺の管はそろそろ50年を経過するので調査、補修に入る。その場合、技術が進んで敷設替えではなく、今ある管の中を補修することで更新を可能にもしている。
― 人口減少の中で持続可能な下水道事業運営に向けて、市は全体計画の見直しを始めています。
臂市長 市の汚水処理人口普及率は70・3%(2023年度末)で、県平均の85・0%(前同)
を下回っている。その整備費用を国からの補助金などで賄い、維持管理を市が負担している。人口減少と厳しい経営環境の下水道事業は今後、従前の計画に基づく下水道整備は困難な状況だ。そこで将来人口予測などを踏まえ、下水道と浄化槽の優位性の評価を行った。投資効果が見込まれる地域は下水道整備を推進する一方、長期間の整備が見込めない場合は、合併浄化槽による汚水処理への転換を進める計画の見直しに着手している。
※編集部注 市は公共下水道全体計画見直し案を1月26日から2月26日、市庁舎内や各公民館などで15回の個別説明会を開催。区域などの見直しで、従来の下水道計画面積約6449ヘクタールを約3880ヘクタールに縮小。今年度内に都市計画決定と公共下水道全体計画の決定を予定している。
― 自然災害に備える防災対策や情報発信で新たな取り組みも。
臂市長 防災・減災情報を一元化し、より多くの市民に必要な情報をより伝わりやすくする手段として新たにYahoo!防災速報アプリを導入した。アプリをインストールしたスマートフォンには、警戒・避難レベルの重要な情報が到達した際、サイレンが鳴りプッシュ通知で画面に視覚的に表示される。視覚障害者に配慮した音声読み上げ機能もあり、多様な市民に確実に情報を届ける仕組みになっている。WEB版ハザードマップ、避難所開設やその混雑状況、災害用掲示板web171(災害用伝言版)などもアプリ内に集約。必要な情報を得やすくしている。一番大切なことは、市民一人々々が地震や河川の氾濫などの災害に対して、いかに自分事として考えるかの意識改革だ。一部地域では独自の地域防災マップ製作など、より積極的な取り組みもみられる。こうした活動が、もっと広がって欲しい。(次回に続く)
【1】【2】【3】