【写真】上:「ミレニアムシンフォニー」の第1回演奏会(指揮者は須田さん、その左のヴァイオリン独奏が島田光博さん)。下:宮川さん(右)と須田さん

伊勢崎出身者が代表・副代表 藝大1年生有志の学生オーケストラ
「ミレニアムシンフォニー」が都内で第1回演奏会

 東京藝術大学音楽学部の1年生有志で構成する「ミレニアムシンフォニー」が2月22日、都内の台東区生涯学習センターで、第1回演奏会を開いた。指揮者で代表の須田陽さん(指揮科)と副代表の宮川清一郎さん(器楽科ヴィオラ専攻)は、ともに伊勢崎出身という注目の学生オーケストラだ。

 演奏プログラムはメンデルスゾーン「真夏の夜の夢」より「序曲」、シベリウスの「ヴァイオリン協奏曲二短調」、ブラームス「交響曲第2番二長調」。指の先まで丁寧に想いを通わせた正統派の須田さんの指揮は、ハイレベルな楽団員から瑞瑞しい音色を引き出し、定員300人のミレニアムホールを埋めた観客を魅了した。圧巻はシベリウスの島田光博さんのヴァイオリン独奏。緊密で劇的な構成の難曲を、ほとばしる若さと技巧で観客をうならせた。

 指揮者で代表の須田さんは上野学園中・高校音楽科演奏家コースを2018年3月に卒業。第9回横浜国際音楽コンクールピアノ部門高校の部第1位をはじめ、作曲などでも受賞歴多数。昨年12月には都内で、現代音楽作曲家の権代敦彦氏作曲「Saewol-海から」の日本初演で指揮を執っている。

 ヴィオラ奏者で副代表の宮川さんがヴァイオリン始めたのは3歳。2018年3月に高崎経済大学附属高校芸術コース音楽系卒業し、18歳から始めたヴィオラで、第14回日本管弦打楽器ソロコンテスト金賞(最高位)、東邦音楽大学学長賞を受賞している。ロマン派音楽研究会「ROMUVE」コンサートマスター。

 大学入学当初から楽団設立を考えていた須田さんが、同郷の宮川さんと昨年5月連休明けから2人で学年全体に声をかけて約90人を集めた。音楽環境創造科や楽理科、作曲科など、非演奏学科の学生も参加しているのが特長。昨年9月に藝祭でチャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」を披露し、今回が初の外部有料公演となった。(2019年3月14日)